AWS Bedrock新機能|2つのAPIでAIエージェント構築

AI・自動化

AI技術の進化は目覚ましい一方で、従業員30〜300名規模の中堅企業にとって、AI導入には専門知識・開発コスト・時間という大きな障壁がありました。そうした中、AWS(Amazon Web Services)が提供する生成AIサービス「Amazon Bedrock」で、「AgentCore harness」の一般提供が開始されました。AIエージェントの構築・運用を大きく簡素化する新機能です。

本記事では、この新機能の仕組みと、業種別の具体的な活用シーン、中堅企業が明日から着手できる次のアクションを整理します。

2つのAPIで完結するAIエージェント構築

Q. AgentCore harnessとは?

A. AWS公式発表によると、CreateHarness(エージェントを定義するAPI)とInvokeHarness(エージェントを実行するAPI)の2つのAPI呼び出しだけで、数秒でエージェントを稼働できる仕組みです。

AIエージェントとは、特定の目的を達成するために自律的にタスクを実行するAIシステムです。従来のAIは特定の入力に対し特定の出力を返す「指示待ち」型が主流でしたが、AIエージェントは目標達成のために複数のステップを計画し、外部ツールと連携し、必要に応じて自ら学習・改善していく能力を持ちます。

開発者はCreateHarness APIでエージェントの基本設定を行い、InvokeHarness APIでエージェントを稼働させます。エージェントは隔離された安全な環境で動作し、ファイルシステムの読み書き、コマンド実行、コード生成までをこなします。さらに、ユーザーとの会話履歴をセッション間で記憶し、指定されたツールや機能を自動的にスキルとして習得していくため、利用するほど賢くなり、より複雑なタスクに対応できるようになります。

この仕組みにより、AI開発におけるインフラ構築や環境設定、複雑なプログラミングの負担が大幅に軽減され、開発者はビジネスロジックの設計とエージェントの教育に集中できる環境が整いました。専門的なAIエンジニアが不足しがちな中堅企業にとって、AI活用の敷居を下げる意味は大きいといえます。

業種別の具体的な活用シーン

Q. 業種によって活用シーンはどう変わる?

A. 建設業は進捗管理と報告業務の自動化、製造業は生産ラインの異常検知、サービス業は顧客FAQとパーソナライズされた提案に活用余地があります。

建設業:進捗管理と報告業務の自動化

建設業界では、日々変化する現場の状況を正確に把握し、関係者へ報告することが欠かせません。AgentCore harnessを活用すれば、現場のセンサーデータや日報テキスト、写真情報を統合して進捗状況を自動分析し、特定フォーマットの日報・週報を自動生成するAIエージェントを構築できます。従業員50名の建設会社でも、報告業務の自動化による生産性向上が見込めます。

製造業:生産ラインの異常検知と品質管理支援

製造業では、生産ラインの安定稼働と製品の品質維持が競争力を左右します。AgentCore harnessを用いたAIエージェントは、IoTデータ(温度・圧力・振動など)や画像データをリアルタイムで監視し、異常パターンを自動で学習・検知します。異常検知時には担当者へ即座にアラートを発し、原因究明のための初期レポートも自動生成します。従業員200名の製造現場では、ライン停止時間の短縮が期待できます。

サービス業:顧客FAQとパーソナライズされた提案

サービス業では、顧客からの問い合わせへの迅速な対応が満足度を大きく左右します。AgentCore harnessで構築されたAIエージェントは、企業のFAQデータベースや商品情報、過去の対応履歴を学習し、24時間自動で回答できます。顧客の購買履歴を分析し、個々のニーズに合致する提案を自動で行うことも可能になります。

  • 建設業:日報・週報の自動生成による報告業務の効率化
  • 建設業:センサーデータ統合による進捗状況の可視化
  • 製造業:IoTデータのリアルタイム監視による異常の早期検知
  • 製造業:異常発生時の初期レポート自動生成
  • サービス業:24時間対応のFAQ自動応答
  • サービス業:購買履歴に基づくレコメンデーション

中堅企業が取るべき次のアクション

Q. 何から始めればいい?

A. 繰り返し発生する定型業務をリストアップし、最も恩恵を受けやすい小規模な課題からPoC(概念実証)として着手するのが着実です。

AgentCore harnessの登場は、中堅企業にとってAI導入の敷居を大きく下げるものです。まず、自社の業務プロセスを見直し、「繰り返し発生する定型業務」「データ入力・集計に時間がかかる業務」「問い合わせ対応など顧客接点での課題」をリストアップすることから始めましょう。

次に、その中から最もAIエージェントの恩恵を受けやすい、小規模で明確な課題を選定します。いきなり大規模なシステムを構築するのではなく、PoCとして特定の一業務に特化したAIエージェントを1〜2ヶ月の短期間で構築し、その効果を検証することが成功への鍵です。

自社に落とし込む3ステップ

  1. 繰り返し発生する定型業務・データ入力業務・顧客接点の課題を洗い出す
  2. 最も効果が見込める1業務に絞り、1〜2ヶ月のPoCで効果を数字で検証する
  3. 効果が確認できた業務から順次対象を拡大し、半年〜1年で複数業務への展開を目指す

よくある質問

Amazon Bedrock AgentCore harnessの活用について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q. Amazon Bedrock AgentCore harnessとは何ですか?

A. AWSが提供する生成AIサービスAmazon Bedrockの新機能で、CreateHarness(エージェントの定義)とInvokeHarness(エージェントの実行)というわずか2つのAPI呼び出しでAIエージェントを構築・稼働できる仕組みです。

Q. 従来のAIエージェント開発と何が違うのですか?

A. 従来はインフラ構築や環境設定、複雑なプログラミングに多くの工数が必要でした。AgentCore harnessはこの負担を大幅に軽減し、開発者はビジネスロジックの設計とエージェントの教育に集中できます。

Q. 中堅企業でも導入できますか?

A. AWSのクラウドインフラを活用するため、初期投資を抑えてアジャイルにAI導入を進められます。専門のAIエンジニアが社内にいない場合でも、PoC(概念実証)として特定業務に絞った小規模な導入から着手できます。

Q. AI導入の第一歩として何から始めればよいですか?

A. 繰り返し発生する定型業務、データ入力・集計に時間がかかる業務、問い合わせ対応など顧客接点での課題をリストアップし、最も効果が見込める1業務でPoCを実施するのが現実的です。

まとめ

☑ AWSがBedrock「AgentCore harness」を一般提供開始。2つのAPI呼び出しでエージェント構築が可能に

☑ インフラ構築や環境設定の負担を大幅に軽減し、ビジネスロジック設計に集中できる

☑ 建設・製造・サービス業それぞれで応用できる活用シーンがある

☑ 中堅企業もまず1業務でのPoCから着実に始められる

更新日: 2026年7月(出典: AWS公式ブログ、2026年6月18日公開)

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※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供を目的としています。

この記事の執筆・監修

home株式会社 編集部

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