建築設計事務所の業務を一元管理する新しいプロジェクト管理ツールが登場した。設計の進捗だけでなく、担当者一人ひとりの業務状況、設計料や外注費といった入出金情報までまとめて扱える点が特徴だ。現場の進捗が経営データに直結する仕組みは、設計や建設に関わる中堅企業にとって示唆に富む。
何が起きたか
建築設計者向けマッチングプラットフォーム「アーキタッグ」を運営する青山芸術(東京・港)が、設計業務の情報を一元管理できる「プロジェクト管理ツール」を開発した。同社はパーソルテンプスタッフ傘下のスタートアップで、2025年10月30日に子会社化されている。
このツールでは、設計プロジェクトの進捗管理と、設計担当者ごとの業務状況の把握に加えて、設計料や外注費などの入出金情報もまとめて管理できる。これまで担当者の頭の中や個別の表計算ファイルに散らばっていた情報を一つにまとめ、案件の進み具合とお金の流れを同じ画面で追える形にした点が要点だ。
出典: 日経クロステック
中堅企業(従業員50-300名)への含意
注目すべきは、進捗管理と入出金管理が一つにまとまっている点だ。設計事務所に限らず、案件単位で仕事を進める従業員50-300名規模の企業では、案件の進み具合は現場が、収支は経理が別々に管理していることが多い。両者が分かれていると、赤字案件に気づくのが請求の後になりがちだ。
進捗と収支が同じデータでつながっていれば、案件が遅れている、外注費が想定より膨らんでいる、といった兆候を進行中に把握できる。「終わってから振り返る」から「進めながら手を打つ」へと、経営判断のタイミングそのものが前倒しになる。
担当者ごとの業務状況が見える点も大きい。特定の人に案件が偏っていないか、誰がどれだけ抱えているかが数字で分かれば、人員配置の調整や採用判断の根拠になる。設計に近い建設・製造・受託開発など、案件型の業務を抱える企業に共通して効く考え方だ。
今すぐできること
専用ツールの導入を急ぐ前に、自社の情報がどこに散らばっているかを棚卸しすることから始めたい。
- 案件と収支のつながりを点検する。進捗を管理する場所と、設計料や外注費を記録する場所が別々になっていないかを確認する。
- 担当者ごとの負荷を見える化する。誰がどの案件をいくつ抱えているかを、まず手元の表で書き出してみる。
- 「振り返り」から「進行中の点検」へ切り替える。月次の締めを待たず、進行中の案件の収支を週単位で見る運用を試す。
業種特化のツールが扱う「進捗・人員・収支の一元管理」という発想は、案件型の仕事を持つ多くの中堅企業に応用が利く。まずは自社にとって何を一つの画面で見たいのかを言語化することが、最初の一歩になる。
案件の進捗と収支をどう一元管理すべきか、自社に合った進め方を一緒に整理します。
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