経理効率化の方法12選|自分でやる手順から外部活用の判断基準まで

経理・会計

経理効率化の方法は、大きく分けて「自分たちの手順を整える方法」と「外部の力を使う方法」の2種類です。結論から言うと、まず自社でできる整理を済ませてから、残る負荷を外部に任せるかどうかを判断するのが最短ルートです。

従業員30〜300名の会社では、経理担当が1〜2名で請求書処理・経費精算・月次締めを兼務しているケースが目立ちます。本記事では、経理効率化の方法として今日から着手できる12の具体策を、手順・工数・費用の面から解説します。あわせて、自分でやり切る場合の現実的なコストと、外部に任せた方が合理的になる分岐点まで整理します。

経理効率化の全体像|何から手をつけるべきか

Q. 経理効率化はまず何から始めればいい?

A. 現状の業務を「時間がかかっている作業」で棚卸しし、①ペーパーレス化②自動化ツール導入③業務フローの整理④外部活用の検討、という順で着手すると迷いません。

経理効率化と聞くと、いきなり高額なシステムの導入を思い浮かべる方が多いですが、最初にやるべきは現状把握です。1週間分の業務日誌をつけるだけで、どの作業に時間が奪われているかが見えてきます。

多くの会社で共通するのは、紙の請求書処理・手入力の経費精算・Excelでの月次集計の3つに月40〜60時間が費やされているという実態です。従業員100名規模のIT企業でも、経理担当2名がこの3業務だけで週の半分を使っているケースがあります。効率化の余地が最も大きいのは、この3業務だと考えてよいでしょう。

この記事では、①自社の手順を整える方法(ペーパーレス化・ツール導入・フロー整理)と、②外部の専門家やAIチームに任せる方法の両方を、手順・工数・費用の観点から具体的に解説します。読み終える頃には、御社がどちらから着手すべきかの判断がつくはずです。

経理効率化を始める前に知っておくべき3つの前提

効率化に着手する前に、次の3点を押さえておくと遠回りを避けられます。

前提1: ツール導入だけでは効率化しない

クラウド会計ソフトを導入しても、入力ルールや承認フローが整理されていなければ、結局は手作業が残ります。ツールは「業務フローを整えた後」に効果を発揮する仕組みです。

前提2: 属人化した業務ほど後回しにされる

「あの人しかわからない」業務ほど、忙しさを理由に効率化が先送りにされがちです。しかし属人化した業務こそ、担当者が有給を取れない・退職時に引き継ぎが1〜2ヶ月かかるという構造的リスクを抱えています。

前提3: 完璧な仕組みを最初から目指さない

一気に全業務をシステム化しようとすると、現場の反発や運用の破綻を招きます。まず1つの業務(請求書処理など)で効果を確認し、順次広げていくのが現実的です。

自分でできる経理効率化の方法12選

ここからは、外部委託を検討する前に、自社の手順の中で完結する具体的な方法を紹介します。難易度・工数・費用の目安を併記しているので、着手しやすいものから試してください。

① クラウド会計ソフトへの移行

弥生会計・freee・マネーフォワードなどのクラウド会計ソフトに移行すると、銀行口座・クレジットカードの明細が自動で取り込まれ、仕訳の手入力が大幅に減ります。導入work: 初期設定に3〜5営業日、月額費用は1〜3万円が目安です。

② 請求書の電子化・自動発行

請求書発行システム(Misoca、board等)を使うと、テンプレート化された請求書を数分で発行でき、郵送・封入作業もなくなります。月50件の請求書処理なら、月10時間ほどの削減が見込めます。

③ 経費精算アプリの導入

レシートをスマホで撮影するだけで自動でOCR読み取り・仕訳される経費精算アプリ(楽楽精算等)を使うと、月末の紙のレシート整理がゼロになります。従業員50名規模なら月5〜8時間の削減効果があります。

④ 銀行振込の自動化・一括振込

全銀協フォーマットに対応した振込データを一括作成し、インターネットバンキングでまとめて処理する方法です。1件ずつ手動振込していた作業が、月1回のバッチ処理に置き換わります。

⑤ 経費規定・承認フローの明文化

「誰がいくらまで承認できるか」を規定として文書化するだけで、確認の往復メールが激減します。費用はゼロで、社内会議1回分の工数だけで着手できます。

⑥ Excel集計をテンプレート化・関数化

毎月ゼロから作っている集計表を、関数・ピボットテーブルで組んだテンプレートに置き換えると、月次集計の作業時間が半分以下になります。

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⑦ 給与計算のクラウド化

勤怠データと給与計算を連携させるクラウドサービスを使うと、残業代の再計算や社会保険料の手計算が不要になります。従業員30名規模で月4〜6時間の削減が目安です。

⑧ ペーパーレス化と電子帳簿保存法対応

紙の証憑をスキャン・クラウド保存に切り替えることで、書類を探す時間・保管スペースの両方を削減できます。2024年以降は電子帳簿保存法対応も実質必須となっています。

⑨ 月次決算の早期化スケジュール表作成

「何日目に何を完了させるか」を逆算したスケジュール表を作るだけで、月次締めのばらつきが解消します。建設業の事例では、月次締めが5営業日から1営業日に短縮した例もあります。

⑩ 定型業務のマニュアル化

手順書を作成し、誰が担当しても同じ品質で処理できる状態にします。属人化の解消と、繁忙期の応援体制づくりの両方に効きます。

⑪ 部門間のデータ連携を自動化

販売管理システムと会計ソフトをAPIやCSV連携でつなぐと、二重入力がなくなります。受発注データが多い卸売業ほど効果が大きい方法です。

⑫ RPA・自動化ツールでの定型作業の自動化

決まった手順の繰り返し作業(データ入力・転記・チェック)をRPAツールで自動化する方法です。導入には初期設定の工数がかかりますが、月20時間以上の定型作業がある会社では投資回収が早くなります。

12の方法を比較する|費用・工数・難易度チェック表

上記12の方法を、着手しやすさの観点で一覧にしました。まずは費用ゼロ・難易度低の項目から着手し、効果を確認しながら段階的に広げるのが現実的です。

方法初期費用月額費用目安難易度削減工数目安
①クラウド会計移行0〜5万円1〜3万円月8〜15時間
②請求書電子化0円0.5〜2万円月5〜10時間
③経費精算アプリ0円1〜3万円月5〜8時間
④振込の一括処理0円0円月2〜4時間
⑤承認フロー明文化0円0円月3〜5時間
⑥集計テンプレ化0円0円月4〜6時間
⑦給与クラウド化0〜3万円1〜2万円月4〜6時間
⑧ペーパーレス化0〜10万円0.5〜2万円月5〜10時間
⑨月次早期化スケジュール0円0円月次締め4営業日短縮
⑩マニュアル化0円0円属人化解消(工数は間接効果)
⑪データ連携自動化10〜50万円1〜5万円月10〜20時間
⑫RPA導入20〜100万円2〜8万円月15〜30時間

自分で全部やった場合の現実コスト

12の方法を一通り実行すると、月30〜50時間の削減効果が見込めます。ただし、これは「導入するだけ」の話であり、実際には次のようなコストも発生します。

見落とされがちな導入コスト

  • ツール選定・比較検討にかかる担当者の時間(1ツールあたり5〜10時間)
  • 初期設定・データ移行の工数(合計で20〜40時間)
  • 社内への周知・運用ルール定着までの調整期間(1〜3ヶ月)
  • 複数ツールを併用することで発生する「ツール間の二重管理」の手間
  • 担当者が退職・異動した際の引き継ぎコスト(属人化が残る場合)

従業員100名のIT企業の例では、経理担当1名がクラウド会計・経費精算アプリ・給与クラウドの3ツールを順に導入するのに、合計で3ヶ月・約80時間の工数がかかりました。効果が出るまでのタイムラグも考慮する必要があります。

さらに、ツールを入れても「例外処理」「イレギュラーな取引」への対応は結局人が判断する必要があり、繁忙期の負荷そのものはゼロにはなりません。ここが「自分でやる方法」の限界です。

自分でやるか外部に任せるかの判断基準

以下のチェックリストで3つ以上該当する場合は、外部の専門家やAIチームの活用を検討するタイミングです。

  • 経理担当が1〜2名で、有給休暇や退職時の代替要員がいない
  • 月次締めが毎回5営業日以上かかっている
  • ツール導入を検討しているが、選定・設定にかける時間が取れない
  • 繁忙期(決算期・年末調整)に他部署から応援が必要になっている
  • 経理担当の退職・休職が経営リスクになると感じている
  • 採用してもすぐ辞めてしまい、育成コストが回収できていない

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正社員を1人雇う場合、年間コストは960〜1,200万円(月給・社会保険・採用費・教育費・福利厚生の合計)にのぼります。さらに、雇う→教育する→戦力になる→辞める→また採用する、というサイクルが繰り返されるたびに、このコストが積み上がります。

この構造的な負担を踏まえると、月30〜50時間の定型業務を自社の人手だけで抱え続けるより、外部の力を早い段階で組み合わせた方が、結果的にコストを抑えられるケースが多くあります。

外部に任せる場合の選択肢と費用相場

経理業務を外部化する場合、主に4つの選択肢があります。それぞれの特徴と費用感を比較しました。

正社員を採用ツール導入のみ一般外注・代行AIチーム
月額80〜100万円
(給与+社保+採用費+教育費)
月3〜10万円月15〜30万円月30〜100万円
1人分の業務のみ1つの業務のみ限定的な業務範囲経理・総務・営業など複数業務を同時対応
採用2〜4ヶ月+教育3〜6ヶ月即日〜1週間1〜2週間最短3営業日
本人+上司が管理自分で設定・運用外注先の担当者次第毎月レポート+改善提案
退職・引き継ぎリスクが高い担当者変更のリスクあり退職リスクなし
本人の成長次第機能追加のみ属人的な対応になりがちAIが学習し継続的に改善

表のとおり、正社員採用は最も柔軟に見えて実は最もコストが高く、退職リスクも抱え続ける選択肢です。ツール導入だけでは1つの業務しか解決できず、一般的な外注・代行も担当者の力量に依存します。

AIチームは月30万円のトライアルプランから始められ、経理業務に加えて総務・営業事務なども横断的に任せられる点が、単機能のツールや一般外注との違いです。まずは1業務からのトライアル導入で、効果を数字で確認してから本格導入するのが着実な進め方です。

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経理効率化に取り組んだ企業の変化

Before(導入前)

建設業・従業員30名
月次締めに5営業日。経理担当1名が請求書処理と経費精算に追われ、決算期は他部署から応援を出していた。

After(導入後)

クラウド会計への移行と外部活用を組み合わせ、月次締めが1営業日に短縮。担当者は例外対応と経営分析に時間を使えるようになった。

同様に、従業員80名の製造業では、経費精算アプリとAIチームによる記帳代行を組み合わせた結果、月40時間かかっていた経理業務が月12時間まで圧縮された事例もあります。共通しているのは、「自分でできる部分」と「任せた方が早い部分」を切り分けたことです。

よくある質問

Q. 経理効率化はどの方法から始めるべきですか?

A. まずは費用がかからず難易度が低い、請求書の電子化や承認フローの明文化から着手するのがおすすめです。効果を実感してから、クラウド会計ソフトなど費用のかかる施策に広げると失敗が少なくなります。

Q. クラウド会計ソフトを導入すれば経理は効率化されますか?

A. ツールの導入だけでは限定的な効果にとどまります。業務フローや承認ルールを整理したうえで導入することで、初めて手入力や二重チェックの削減効果が最大化します。

Q. 経理を1人で担当していますが、効率化だけで乗り切れますか?

A. 定型業務の削減は可能ですが、担当者が急に休んだ場合の代替が利かないという構造的リスクは残ります。属人化リスクが高い場合は、外部の専門家やAIチームとの併用も検討してください。

Q. 経理効率化にかかる費用相場はどれくらいですか?

A. 自社で完結する施策は月0〜5万円程度が目安です。外部に一部業務を任せる場合は、一般的な外注・代行で月15〜30万円、複数業務を横断対応できるAIチームで月30万円からが相場です。

Q. 効率化の効果はどれくらいで実感できますか?

A. 請求書電子化や経費精算アプリなど即効性のある施策は、導入から1〜2ヶ月で効果を実感できます。業務フローの見直しやクラウド会計の本格運用は、定着まで3ヶ月程度を見込んでください。

まとめ|経理効率化は「自分でやる」と「任せる」の組み合わせが最短

経理効率化の方法は、クラウド会計ソフトへの移行から承認フローの明文化まで、自社だけで着手できるものが数多くあります。まずは費用がかからない施策から始め、効果を確認しながら段階的に広げてください。

  • 費用ゼロ・低難易度の施策(承認フロー明文化・振込一括処理)から着手する
  • 効果を確認しながら、クラウド会計・経費精算アプリなど費用のかかる施策に広げる
  • 月次締めが5営業日以上、または担当者の退職・休職がリスクになっている場合は外部活用を検討する
  • 外部活用は、費用と対応業務の幅の両方で正社員採用・ツール・一般外注・AIチームを比較する

経理担当を1人雇うコストは年間960〜1,200万円。採用してもいずれ辞めるサイクルが繰り返されるなら、月30万円から複数業務を横断対応できるAIチームという選択肢を、判断材料の1つに加えてみてください。

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この記事の執筆・監修

home株式会社 編集部

AIチームが御社の経理・総務・営業・集客をまるごと実行。人の採用・教育・退職のループから抜け出し、月額30万円から業務をAIで仕組み化するAI導入サービスを提供しています。

監修:吉田喜一(home株式会社 代表取締役CEO)

広告およびデジタルマーケティング業界にて、事業戦略の立案とプロジェクトマネジメントに従事。SEOや自動化されたリードナーチャリング、CVR改善など、成果に直結するマーケティング実行で実績を積む。2023年8月にhome株式会社を創業。現在は、Difyやn8n、LangGraph、RAGなどを活用したAIシステムの技術アーキテクチャ設計を自ら手掛け、企業のマーケティングや営業、バックオフィス業務自動化を牽引。現場の泥臭い業務改善ノウハウと、最新のAI技術の双方に深い専門知見を持ち、本メディアのコンテンツ品質を監修している。

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