「不妊治療を続けているけど、このままでは夫婦関係が壊れてしまうかもしれない…」
「不妊が原因で離婚を考え始めたけど、どうするのが正解なんだろう…」
このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
不妊治療は肉体的にも精神的にも大きな負担を伴い、夫婦関係に深刻な影響を与えることがあります。しかし、その影響を乗り越え、より強い絆を築く方法も存在します。
この記事では、不妊が原因で離婚を考えている方に向けて、以下のポイントを解説します。
今、不妊治療によるプレッシャーや夫婦間のすれ違いに悩んでいる方、ぜひ参考にしてください。
- 不妊が夫婦関係に及ぼす影響
- 離婚を考える前に知っておくべきポイント
- 不妊治療と夫婦関係を両立させる方法
不妊と離婚、関係性を理解する
不妊治療は、夫婦の未来に対する希望を与える一方で、その道のりは時に険しく、夫婦関係に大きな影を落とすこともあります。
特に、治療が長引くにつれて、精神的なストレスや経済的な負担が増し、夫婦の間に溝が生じやすくなることも少なくありません。
「子供を授かる」という共通の目標に向かって共に歩むはずが、いつの間にか「不妊」という問題によって心が離れてしまう…。
そんな悲しい結末を迎えないためにも、まずは「不妊」と「離婚」の関係性を正しく理解することから始めましょう。
以下では、「不妊が夫婦関係に与える影響」や「離婚を選択する夫婦の割合」などを具体的に見ていくことで、不妊治療と離婚問題の実態に迫ります。
不妊が夫婦関係に与える影響とは?
不妊治療は、夫婦にとって肉体的にも精神的にも負担の大きいものです。
治療費用の負担や通院のストレスに加え、「なかなか結果が出ない」という状況が続くことで、焦りや不安、失望感など、様々な感情が生まれてしまうでしょう。
このようなネガティブな感情は、夫婦それぞれに影響を与えるだけでなく、時に相手への不満や怒りへと発展し、夫婦関係を悪化させる原因にもなりかねません。
実際、厚生労働省の調査によると、不妊治療経験者の約6割が「夫婦関係が悪化した」と感じているという結果が出ています。
不妊治療は、夫婦の絆を深めるための試練ともいわれますが、その一方で、夫婦関係に亀裂を生じさせてしまう可能性も孕んでいると言えるでしょう。
離婚という選択をする夫婦の割合は?
では、実際に不妊を理由に離婚を選択する夫婦はどのくらいいるのでしょうか?
残念ながら、不妊だけが原因で離婚に至ったケースを明確に示す統計データは存在しません。
しかし、離婚相談の現場では、不妊治療の長期化や経済的な負担、夫婦間のコミュニケーション不足などが原因で離婚を検討するケースが多く見受けられます。
また、近年では晩婚化や女性の社会進出に伴い、結婚年齢が上昇傾向にあることも、不妊治療と離婚問題を考える上で重要な要素と言えるでしょう。
高齢出産のリスクやキャリアとのバランスなど、様々な要因が複雑に絡み合い、夫婦それぞれが「自分にとって本当に大切なものは何か」を改めて見つめ直す機会が増えているのかもしれません。
不妊治療と離婚は、決して他人事ではありません。
「いつか子供が欲しい」という気持ちと、「夫婦としての人生」について、じっくりと話し合い、互いの理解を深めることが大切です。
こんな時が離婚のサイン? 不妊と離婚を考えるタイミング
不妊治療を続けるかどうか、離婚を選択するかどうかは、夫婦にとって非常に難しい決断です。
「いつまで治療を続けるべきか」「どんな時に離婚を決断すべきか」という明確な答えはなく、それぞれの夫婦の状況や気持ちによって変わるからです。
しかし、「このままではお互いにとって不幸なのではないか…」と感じるような状況が続いているのであれば、一度立ち止まって、二人の未来について真剣に考える必要があるかもしれません。
ここでは、「不妊治療と離婚」に関する様々なケースや状況を踏まえ、どんな時に離婚を考えるべきなのか、具体的なタイミングについて解説します。
長年の不妊治療で疲弊してしまった
「いつかは子供が欲しい」という思いで始めた不妊治療。
しかし、治療が長引くにつれて、心身ともに疲弊してしまうこともあるでしょう。
肉体的・精神的な負担に加え、経済的な不安も大きくなり、「もう限界…」と感じてしまうのも無理はありません。
長年の不妊治療によって、夫婦共に疲弊し、精神的に余裕がなくなってしまうと、相手を思いやる気持ちも薄れてしまい、些細なことで衝突してしまうことも少なくありません。
治療の継続や将来のことについて冷静に話し合うことさえ難しくなってしまっている状態であれば、一度立ち止まって、治療を休止するか、離婚という選択肢も視野に入れる必要があるかもしれません。
夫婦関係が悪化してしまった
不妊治療をきっかけに、夫婦関係が悪化してしまうケースは少なくありません。
治療に対する温度差や、互いの行動に対する不満、将来に対する不安など、様々な要因が重なり、夫婦の間に深い溝ができてしまうこともあるでしょう。
一度崩れてしまった信頼関係は、そう簡単に修復できるものではありません。
話し合おうとしても喧嘩になってしまう、相手の言動にいちいち腹が立つ、一緒にいても楽しくない…など、夫婦関係の破綻を示すサインを見逃さないようにすることが大切です。
夫婦関係が修復不可能な状態になってしまったと感じるのであれば、離婚という選択も視野に入れるべきかもしれません。
「子供を持つこと」に対する価値観のずれが生じた
不妊治療を続ける中で、「子供を持つこと」に対する価値観や人生設計が変化していく夫婦もいるでしょう。
当初は「二人で力を合わせて乗り越えよう」と約束していても、治療の過程で考え方や価値観が変化することは自然なことです。
例えば、「どうしても子供が欲しい」という気持ちが強くなった一方のパートナーに対し、もう一方は「子供がいなくても二人で幸せに生きていきたい」と考えるようになることもあるかもしれません。
このような価値観のずれが生じた場合、どちらかが相手に合わせようと無理をすると、不満が募り、最終的には夫婦関係の破綻につながってしまう可能性もあります。
もし、あなたが将来に対する価値観のずれを感じているのなら、改めて二人でじっくりと話し合い、お互いの気持ちを理解することが大切です。
そして、どうしても埋められない溝があると感じるのなら、別の道を歩むという選択肢も視野に入れる必要があるかもしれません。
不妊による離婚、よくあるケースと対処法
不妊治療を経験した夫婦が離婚を考える理由はさまざまですが、ここでは特に多く見られる3つのケースと、それぞれの対処法について具体的に解説します。
夫の不妊治療への協力が得られない
不妊の原因は、女性だけに限ったものではありません。
実際、約半数は男性にも原因があるといわれており、不妊治療は夫婦二人で協力して取り組むことが大切です。
しかし、治療に対する理解や協力が得られず、一人で悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
男性は、女性と比べて、不妊治療に対する精神的なハードルが高い傾向にあります。
そのため、なかなか本音を打ち明けられなかったり、治療に積極的になれなかったりするケースも少なくありません。
以下のようなポイントをおさえ、まずはあなたの思いをしっかりと伝えましょう。
- 正しい知識を共有する:
不妊治療に関するパンフレットやウェブサイトなどを一緒に見ながら、治療の内容や重要性について丁寧に説明しましょう。 - 気持ちを伝える:
「一人で抱え込みたくない」「一緒に頑張りたい」など、あなたの気持ちを率直に伝えてみましょう。 - 専門家の力を借りる:
夫婦だけで解決が難しい場合は、不妊治療に理解のあるカウンセラーに相談してみるのも有効な手段です。
仕事との両立が難しい
女性の社会進出が進み、多くの女性が仕事と家庭の両立に奮闘する現代において、キャリアプランと不妊治療の両立は容易ではありません。
治療のために仕事を休まなければならなかったり、仕事と治療の両立で心身ともに疲弊してしまったりするケースも多く見られます。
仕事も子供も諦めたくないというあなたの気持ちは、決してわがままではありません。
しかし、現状を変えるためには、何かしらの決断を迫られる場面もあるかもしれません。
会社によっては、不妊治療を全面的にサポートしてくれるところもあります。
まずは上司や人事部に相談してみて、今の会社では難しいようであれば転職を考えてみてもよいかもしれません。
- 治療に専念するために、一時的に仕事を休職する:
経済的な状況や会社の制度などを考慮し、可能な場合は休職も視野に入れてみましょう。 - 勤務時間や業務内容の調整を会社に相談する:
治療への理解を得るために、上司や人事部に相談してみましょう。 - 転職を検討する:
より働きやすい環境を求めて、転職を検討するのも一つの方法です。
経済的な負担が大きく、生活が苦しい
不妊治療は、保険適用外となる治療も多く、高額な費用がかかる場合があります。
治療費用の負担が家計を圧迫し、経済的な理由から治療の継続を諦めざるを得ないケースも少なくありません。
そんな状況に陥ると、精神的なストレスも増大し、夫婦関係が悪化してしまう可能性もあります。
経済的な問題と向き合い、将来のライフプランを二人で見つめ直すことが大切です。
場合によって、助成金などを利用するのも選択肢です。
- 助成金制度の利用:
自治体によっては、不妊治療に対して助成金制度を設けている場合があります。 - 保険適用となる治療の選択:
治療法によっては保険適用となる場合があります。医師に相談してみましょう。 - ファイナンシャルプランナーへの相談:
家計の見直しや将来設計について、専門家のアドバイスを受けるのも有効です。
不妊による離婚を考えるとき、知っておくべきこと
不妊治療を巡る問題は、夫婦関係の破綻だけでなく、離婚後の生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、「不妊」を理由とした離婚において、特に知っておくべき法的知識や手続きについて解説します。
「離婚」という選択をする前に、正しい知識を身につけておくことが大切です。
離婚の慰謝料は請求できる?
不妊治療が原因で離婚する場合、「精神的な苦痛を受けた」として、相手に慰謝料を請求できるケースがあります。
特に、以下のような場合には、慰謝料が認められる可能性が高まります。
- 相手が不妊治療に非協力的だった場合:
正当な理由なく、検査や治療を拒否し続けた場合などです。 - 相手が不妊の原因を隠していた場合:
結婚前に、すでに不妊の可能性を知っていたにもかかわらず、それを隠していた場合などです。 - 相手が不貞行為など、婚姻関係を破綻させる行為をした場合:
不倫やDVなど、婚姻関係を継続することが困難となるような行為があった場合です。
ただし、慰謝料請求が認められるかどうかは、個々のケースによって判断が異なります。
具体的な事例については、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
財産分与はどうなる?
離婚する場合、夫婦が婚姻期間中に築いた財産は、原則として「夫婦共有財産」とみなされ、離婚時に分割することになります。
財産分与の対象となるのは、預貯金、不動産、車、有価証券など、金銭的な価値があるものです。
不妊治療にかかった費用についても、夫婦の共有財産から支払っていた場合は、財産分与の対象となります。
ただし、治療費をどちらが負担していたか、治療費の使途が適切であったかなどによって、分割の割合が変わる可能性があります。
財産分与は、離婚後の生活に大きな影響を与えるため、専門家の意見を参考にしながら、慎重に進めていくことが大切です。
離婚後の不妊治療はどうなる?
離婚が成立すると、夫婦としての法的関係は解消されるため、原則として、夫婦間で協力して不妊治療を受けることはできなくなります。
ただし、離婚前に凍結保存していた受精卵などがある場合は、状況が異なります。
体外受精などの生殖補助医療によって生まれた子供の親子関係については、民法の特例が設けられており、離婚後であっても、一定の条件を満たせば、夫側の同意を得ずに、妻が単独で出産することが可能です。
離婚後の不妊治療や出産については、専門的な知識が必要となるため、弁護士や医療機関に相談することをおすすめします。
専門家のサポートで最適な選択を
不妊治療と離婚問題は、夫婦にとって非常にデリケートで複雑な問題です。
感情的な葛藤や将来への不安を抱えながら、一人で解決策を見つけ出すことは容易ではありません。
そんな時は、専門家のサポートを頼ってみませんか?
弁護士やカウンセラーなどの専門家は、あなたの状況や気持ちに寄り添いながら、最適な解決策を一緒に考えてくれるはずです。
弁護士に相談するメリット
離婚問題に精通した弁護士に相談することで、以下の様なメリットがあります。
- 法的アドバイス:
離婚に関する法律や手続き、慰謝料、財産分与、親権などについて、専門的な知識に基づいたアドバイスを受けることができます。 - 交渉:
相手方との交渉を弁護士に代行してもらうことで、冷静かつ客観的な立場で話し合いを進めることができます。 - 調停・訴訟:
裁判所での調停や訴訟手続きを弁護士に依頼することで、手続きをスムーズに進めることができます。
弁護士は、あなたの権利を守り、不利な状況に陥らないよう、最善のサポートをしてくれる心強い存在です。
離婚を検討しているのであれば、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
離婚カウンセリングでできること
離婚カウンセリングは、離婚問題に特化したカウンセラーが、あなたの気持ちに寄り添いながら、問題解決をサポートするサービスです。
離婚カウンセリングでは、以下のようなことを行います。
- 気持ちの整理:
不妊治療や離婚に関する悩み、不安、怒り、悲しみなど、様々な感情を吐き出し、心を整理することができます。 - 問題解決:
夫婦関係の改善、離婚の決断、離婚後の生活設計など、具体的な問題解決に向けて、カウンセラーと一緒に考え、行動計画を立てることができます。 - 自己理解:
自分自身の価値観や強み、弱みなどを理解し、より良い未来へ向かうためのヒントを得ることができます。
「誰にも相談できずに、一人で抱え込んでいる…」
「自分の気持ちを整理したいけど、どうしたらいいかわからない…」
そんな悩みを抱えている方は、離婚カウンセリングを受けてみるのも良いかもしれません。
カウンセラーは、あなたの味方となり、あなたの心を支えてくれるはずです。
まとめ:不妊が原因での離婚を防ぐために
不妊が夫婦関係に与える影響は大きいですが、適切なコミュニケーションとサポートを受けることで、その影響を乗り越えることができます。離婚という選択をする前に、もう一度パートナーとしっかりと話し合い、互いの気持ちを確認し合うことが大切です。
「離婚を考えているけれど、どうすれば良いか分からない」と感じている方もいるかもしれません。そんな時こそ、専門家の意見を取り入れ、冷静に判断することが重要です。
あなたがこれまで不妊治療に向き合ってきた努力や苦労は決して無駄ではありません。その経験を踏まえて、これからの選択をしっかりと考えましょう。
未来には、必ず新しい可能性があります。夫婦としての絆を再確認し、二人で新たな道を歩んでいく力があなたには備わっているはずです。
具体的な行動を起こすことで、未来をより良い方向に導くことができます。あなたの幸せを心から応援しています。
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