「父親は親権を取れないって、本当なのかな…」
「母親が圧倒的に有利って聞いたけど、自分にできることはないのだろうか…」
離婚や別居を考えたとき、最も心配なのが「子どもとの関係」ではないでしょうか。特に父親にとっては、「親権」という言葉が壁のように感じられるかもしれません。ですが、近年では父親が親権を獲得するケースも確実に増えており、諦める必要はありません。
親権は「父親だから」「母親だから」という性別で決まるものではありません。重要なのは、子どもの福祉にとって最適な環境を誰が提供できるか。この記事では、父親が親権を獲得するために必要な条件や準備、実際に有利になるケースなどを、法的な視点から丁寧に解説します。
「子どもとこれからも一緒にいたい」「父親としてきちんと責任を果たしたい」と願うなら、今こそ行動する時です。適切な知識と準備をもって進めば、あなたの想いを実現できる可能性は十分にあります。
この記事では、親権について悩む父親の方に向けて、主に以下を専門家視点でご説明します。
- 親権が決まる具体的な6つの判断基準
- 父親が親権を獲得しやすい6つの具体的ケース
- 親権獲得を目指す父親のための9つの実践ポイント
子どもを想う気持ちは、きっと伝わります。この記事を読むことで、あなたの選択肢が広がり、一歩前に踏み出す勇気につながるはずです。ぜひ参考にしてください。


親権とは?父親が知っておくべき基礎知識
離婚を考える父親にとって、「親権」は最も気になる問題の一つでしょう。
「親権を取れる可能性はあるのだろうか…」と不安に思う方もいるかもしれません。
親権とは、子どもの利益のために、子どもの監護や教育、財産管理などを行う親の権利であり義務です。
親権を持つ親は、子どもの人生に大きな影響を与えることになります。
ここでは、親権の基本的な意味と、父親の親権獲得の実態について詳しく解説していきます。
子どもの福祉を守るための親の権利義務
親権とは、未成年の子どもを養育し、その財産を管理し、子どもを代理して法律行為を行う親の権利と義務のことです。
具体的には、以下の4つの権利・義務が含まれます。
「親権」と聞くと、権利ばかりが強調されがちですが、実際には義務の側面も大きいことを理解しておきましょう。
親権は、子どもの最善の利益のために行使されるべきものです。
父親の親権獲得の実態|父親の親権獲得率は11%
日本では、離婚時に母親が親権を持つケースが圧倒的に多いのが現状です。
「父親が親権を取るのは難しい」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
厚生労働省の調査によると、父親が親権を獲得できる割合は、わずか11%程度です。
これは、母親が親権を持つケースが約84%であることと比較すると、非常に低い数字です。
※参考:人口勤態統計 令和4年(厚生労働省)
父親の親権獲得率が低い背景には、以下のような要因が考えられます。
しかし、父親が親権を獲得できないわけではありません。
子どもの最善の利益を考え、父親が親権者としてふさわしいと判断されれば、父親が親権を持つことも可能です。
諦めずに、できる限りの準備をすることが大切です。







親権はどうやって決まる?重要な6つの基準
「父親でも親権を取れる可能性はあるのだろうか…」
「どうやって親権が決まるのかが分からなくて不安…」
そんな思いを抱えている方もいるでしょう。
親権は単に「どちらの親が良いか」で決まるものではありません。
家庭裁判所では、子どもの健全な成長を最優先に考え、さまざまな要素を総合的に判断して決定します。
特に親権を希望する父親にとっては、どういった点が重視されるのかを知っておくことが極めて重要です。
なぜなら、裁判所の基準を理解し、戦略的に準備することで、親権獲得の可能性が高まるからです。
以下では、裁判所が親権を決める際に重視する6つの判断基準について、わかりやすく解説していきます。







1.母性優先の原則
親権においては、特に乳幼児の場合、母親が優先される傾向があります。
これは、乳児期の子どもにとって、母親との結びつきが情緒の安定や発達において極めて重要であると考えられているためです。
ただし、これは「絶対的」なルールではありません。
父親でも、育児の実績や生活環境などを示すことで、親権が認められるケースはあります。
母性優先はあくまでも判断材料の一つであると理解しておくことが重要です。
2.監護継続性の原則
裁判所は「子どもが今いる環境をどれだけ維持できるか」を非常に重視します。
これは「監護継続性の原則」と呼ばれ、別居後にどちらが主に育児を担ってきたかが問われる基準です。
たとえば、父親が子どもと同居し、日常的に育児をしている場合は、親権者として選ばれる可能性が高まります。
逆に、別居をきっかけに子どもと離れて暮らしていると、監護継続性が認められにくくなるため注意が必要です。
3.兄弟姉妹不分離の原則
兄弟姉妹がいる場合には「一緒に育てるのが望ましい」とされます。
子どもにとって、きょうだいとのつながりは精神的な支えとなるため、裁判所もできるだけ同じ親のもとで養育されるよう配慮します。
ただし、兄弟姉妹の年齢差が大きかったり、特殊な事情がある場合は、この原則よりも個別の事情が優先されるケースもあります。
4.子どもの意思の尊重
子どもが15歳以上であれば、家庭裁判所は必ず本人の意思を確認します。
10歳以上でも、発達の程度に応じて意見が尊重されることがあります。
たとえば「お父さんと暮らしたい」と子どもが明確に話すことで、父親に親権が与えられる判断材料になります。
ただし、親が子どもに不適切な働きかけをした場合は逆効果となるため、配慮が必要です。
5.監護体制の優劣
父母のどちらがより安定した養育環境を提供できるかも重要な判断基準です。
これは、住環境、経済状況、育児支援体制、教育方針など、総合的な視点で評価されます。
父親であっても、仕事と育児を両立できる体制が整っており、子どもの生活に支障が出ないと判断されれば、十分に親権が認められる可能性はあります。
6.面会交流に関する寛容性の原則
親権を持たない親との面会交流を積極的に認める姿勢は、裁判所にとって非常に好印象です。
「相手の親とは会わせたくない」といった姿勢は、子どもの利益に反するとして、マイナス評価につながることがあります。
そのため、たとえ離婚後に親権を持ちたいと考えていても、他方の親との関係性や子どもとの絆を尊重する姿勢が求められます。







離婚時に父親が親権獲得しやすいケース6つ
離婚時に親権は母親に渡ることが多い傾向にありますが、以下のようなケースでは父親が親権を獲得しやすくなります。いずれの場合も、家庭裁判所は「子どもの最善の利益」を基準に親権者を決定します。
1:母親が子どもを虐待している
母親が身体的・精神的虐待をしている場合、父親が親権を獲得しやすくなります。
児童相談所の記録や診断書などの証拠が重視されるため、早期の対応が重要です。
2:母親が子どもの育児放棄をしている
ネグレクト(育児放棄)は、子どもの安全と成長を脅かす重大な問題です。
母親が家事・育児に関与しておらず、子どもの世話を父親が主に担っているような状況では、父親が親権を得る可能性が高まります。
3:母親が家出した
母親が無断で家を出て、子どもと別居を続けている場合、継続的な監護をしている父親に親権が認められることがあります。
4:母親が父親にDVを行っている
DVは親権判断にも大きな影響を与えます。
加害者となった母親に子どもの養育を任せることは、子どもの心身に悪影響を及ぼすと見なされ、父親が親権を得る場合があります。
5:子どもが父親と暮らしたがっている
一定の年齢以上の子ども(一般的には10歳前後以上)の意思は、親権判断において考慮されます。
子どもが明確に「父親と暮らしたい」と希望すれば、その意思が尊重されることがあります。
6:父親が親権者に適任かつ共同親権が難しい
父親が経済的・精神的に安定し、育児への積極的な姿勢を示している場合、また、母親との共同親権が子どもの利益に反すると判断される場合には、父親が単独親権を得ることもあります。







父親が親権を取りたい場合のポイント9つ
父親が親権を希望する場合、ただ「子どもを大切にしている」だけでは足りません。裁判所は「子どもにとってどちらがより良い環境か」という客観的な基準で判断します。そのため、具体的な準備と戦略が必要です。
「本当に自分が育てたいと思っているけれど、不利だと言われて心配…」「母親が有利と聞くけれど、何もできないのかな…」と感じている方もいるかもしれません。
ここでは、親権獲得に向けて父親が取るべき9つの実践ポイントを、3つのフェーズに分けて詳しく解説します。
親権獲得に向けた準備:証拠集めと弁護士への相談
ポイント1. 虐待・DVの証拠を揃える:親権判断の重要な要素
家庭内で母親による虐待やDVがある場合、それを証明することで親権獲得に大きく影響します。証拠として有効なのは、診断書、LINEのメッセージ、録音データ、写真などです。
ポイント2. 父親としての適性を証明する:養育実績と生活環境
過去にどれだけ育児に関わってきたか、またこれから子どもを育てる体制があるかが判断されます。
ポイント3. 離婚問題に詳しい弁護士に早めに相談する
離婚や親権に関する専門知識を持った弁護士と連携することで、証拠の集め方や交渉の進め方に戦略を立てられます。
母親が親権を持つ可能性が高い場合の対策
ポイント4. 不貞行為があっても諦めない:有利な状況を作るための対処法
母親に不貞行為があっても、それだけでは親権に直結しません。ですが、子どもの養育に悪影響がある場合には、その事実が重視されます。
ポイント5. 母親の子育ての問題点を具体的に証明する
抽象的な「しっかりしていない」ではなく、実際に何が問題なのかを明らかにする必要があります。
ポイント6. 今後の子供との時間を積極的に確保する
仕事が忙しくても、休日に一緒に過ごす、保育園の行事に参加するなど、子どもとのつながりを可視化することが大切です。
親権獲得を有利に進めるための戦略
ポイント7. 別居時は子どもと離れない:継続的な関わりが重要
親権は「現在誰が子どもを育てているか」が強く影響します。別居時に子どもと一緒に暮らすことが望ましいです。
ポイント8. 周囲のサポート体制を整える:子育てを支援してくれる人を確保
父親ひとりでの育児が不安視されるケースもあります。親族やベビーシッターなど、サポートがあることを示すと安心材料になります。
ポイント9. 学童期まで離婚を避ける:子どもの成長を考慮したタイミングを見計らう
子どもが成長するにつれ、意見を持ち始めます。その段階まで離婚を避けることで、親権争いにおいて子どもの意向を味方にできる可能性があります。







父親が親権争いで不利な理由3つ
離婚時の親権争いにおいて、父親が不利になるケースが多いのは事実です。
「なぜ父親は親権を取りにくいのだろう…」と疑問に思う方もいるでしょう。
父親が親権争いで不利になる背景には、社会的な要因や、子どもの発達段階などが関係しています。
しかし、不利な理由を理解し、適切な対策を講じることで、親権獲得の可能性を高めることができます。
ここでは、父親が親権争いで不利になる主な理由を3つ、簡潔に解説します。
子供が小さいほど母親が有利
一般的に、子どもの年齢が低いほど、母親が親権者として有利になる傾向があります。
これは、「母性優先の原則」と呼ばれる考え方に基づくものです。
乳幼児期の子どもは、母親との継続的な関わりが特に重要と考えられています。
母親の愛情やスキンシップなどが、子どもの心身の健やかな発達に不可欠とされているためです。
「子どもがまだ小さいから…」と諦めてしまう父親もいるかもしれません。
しかし、母親に育児上の問題がある場合は、この原則は適用されません。
父親が積極的に育児に関わってきた実績があれば、子どもの年齢が低くても、父親が親権を獲得できる可能性はあります。
仕事と育児の両立の難しさ
父親が親権争いで不利になる理由の一つに、仕事と育児の両立の難しさがあります。
特に、フルタイムで働く父親は、子どもの世話をする時間が限られ、親権者として不適格と判断される可能性も。
「仕事が忙しくて…」と判断されるケースも少なくありません。
しかし、近年は父親の育児参加が推進され、仕事と育児を両立する制度も充実してきています。
育児休業や短時間勤務制度などを活用し、仕事と育児を両立できることをアピールすることが重要です。
フレックスタイム制など柔軟な働き方ができる環境なら、その点も積極的に主張しましょう。
子供が母親を選ぶ
親権者を決める際は、子どもの意思も尊重されます。
特に15歳以上の子どもの意思は非常に重視されます。
子どもが母親と暮らすことを希望した場合、父親の親権獲得は難しくなるでしょう。
「子どもは母親になついていて…」と諦めてしまう父親もいるかもしれません。
しかし、子どもの意思は、必ずしも母親を選ぶとは限りません。
父親との関係が良好なら、子どもが父親を選ぶことも十分にあり得ます。
子どもの意思を確認する際は、誘導尋問にならないよう注意が必要です。
子どもの本心を引き出すには、日頃のコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが大切です。







父親の親権に関するよくある質問
離婚後、親権を母親と共同で持つことは可能ですか?
離婚後、親権を母親と共同で持つことは、原則として可能です。
これを「共同親権」と呼びます。しかし、共同親権が認められるためには、両親が協力して子育てを行える関係であることが重要です。DVや虐待などの問題がある場合や、両親間の対立が激しい場合は、共同親権が認められないことがあります。共同親権が認められない場合は、どちらか一方の親が単独親権者となります。
親権を争う際に、子どもの意見は考慮されますか?
親権を争う際に、子どもの意見は重要な考慮要素となります。
特に、12歳以上の未成年者は、家庭裁判所において、自分の意思を直接述べる機会が与えられます。
裁判官は、子どもの年齢や発達段階、意思の内容などを総合的に判断し、子どもの福祉に最も合致する親権者を決定します。12歳未満の子どもの意見は、家庭裁判所が調査官を通じて聞き取り、判断材料とします。
親権を失った父親は、子どもとどのように関わることができますか?
親権を失った父親は、面会交流権を通じて、子どもと関わることができます。
面会交流権は、子どもが両親と交流する権利であり、子どもの健全な成長を促進するために重要なものです。面会交流の方法や頻度については、両親が話し合って決めるのが原則ですが、合意できない場合は、家庭裁判所が決定します。
親権獲得のために、探偵に調査を依頼することは有効ですか?
親権獲得のために、探偵に調査を依頼することは、有効な場合があります。
特に、相手方の不貞行為やDV、虐待などの証拠を集める場合に、探偵の調査は役立ちます。しかし、探偵に調査を依頼する際には、違法な手段を用いないこと、プライバシーを侵害しないことなどに注意する必要があります。また、探偵の調査結果は、裁判において証拠として認められるとは限りません。









まとめ:父親の親権、諦めないで!
この記事では、「親権の基礎知識」「父親が親権を取るためのポイント」「不利になる理由」などを解説してきました。
離婚を考える父親にとって、親権は大きな悩みです。
「父親は親権を取れないかも…」と不安になるかもしれません。
しかし、諦める必要はありません。父親でも親権は取れます。
親権争いは大変ですが、子どものため、そしてあなた自身のために、最善を尽くしましょう。
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参考:全国自治体の養育費支援、神奈川県の養育費支援


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