離婚後でも公正証書は作成できる!6つのよくある問題と作成方法・費用・注意点

離婚後でも公正証書は作成できる!6つのよくある問題と作成方法・費用・注意点 離婚の手続き

「離婚後でも養育費を払ってもらえるのかな…」
「公正証書って作ったけど、本当に効力あるの?」

そんな不安を抱えている方もいるでしょう。
特に、生活が厳しい中で養育費が滞ると、今後の生活や子どもの将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。

実は、公正証書には法的な拘束力があり、条件を満たせば強制執行という手段も取れます。
また、相手の事情が変わった場合に「内容を変更する方法」も法律で認められており、対応策は複数あります。
ただし、それには正しい手続きの知識が必要です。

まずは正しい情報を知ることが、あなた自身とお子さんを守る第一歩になります。
この記事では、今抱えている不安を「どうすればいいのか」明確にするための方法を、具体的かつわかりやすく解説しています。

この記事では、離婚後の公正証書について悩みや不安を抱える方に向けて、主に以下のようなトピックを専門家視点でご説明します。

この記事でわかること
  • 離婚後に公正証書を作成・活用する方法
  • 養育費が滞った場合の強制執行の手続き
  • 内容変更・紛失時の対応やよくある誤解

子どもの将来を守るために、まずはできることから一緒に考えてみませんか。
公正証書を正しく理解すれば、不安を減らし、安心した生活の第一歩を踏み出せます。
ぜひこの記事を参考にして、具体的な行動につなげてください。

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離婚後に公正証書を作成できる?

「離婚時にしっかり決めておけばよかった…」離婚後、そんな風に思う場面があるかもしれませんね。
ご安心ください。
たとえ離婚後であっても、元夫婦間で合意さえできれば、離婚に関する取り決めを公正証書として作成することは可能です。

口約束だけでは将来が不安な場合や、以前の取り決めに不備があった場合など、公正証書を作成することで大きな安心を得られます。
しっかりとした形で約束を固め直したいと考えるのは自然なことです。

以下で、公正証書の基本的な知識と、離婚後に作成する重要性について解説します。

公正証書とは

公正証書は、公証人(法律の専門家)が法律に基づき作成する公的な文書です。
公証人は元裁判官などが務め、全国の公証役場にいます。

この文書は、一般的な契約書(例:「離婚協議書」)よりも証明力が非常に高いのが特徴です。
さらに、養育費などの金銭支払いについて「支払いが滞れば強制執行されても構いません」という特別な文言(強制執行認諾文言)を入れておくと、裁判を経ずに相手の財産を差し押さえる手続き(強制執行)が可能になります。
この点が、公正証書の大きなメリットです。

離婚公正証書は離婚前後で作成できる

結論として、離婚に関する公正証書は、離婚届の提出後でも作成可能です。
「離婚後はもう作れない」と諦める必要はありません。

ただし、離婚後に作成するには、元夫婦が改めて連絡を取り、協力して手続きを進める必要があります。離婚を急いだ、当時は重要性を認識していなかったなどの理由で離婚後に作成を考える方もいますが、相手の協力が得られるかが鍵となります。

それでも、離婚後でも作成できることを知っておきましょう。

離婚における公正証書の重要性

離婚時に公正証書を作成する重要性は、主に2点あります。

一つは、養育費や慰謝料などの金銭支払いの約束を守ってもらいやすくなる点です。
強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、不払い時に比較的速やかに強制執行(差し押さえ)の手続きに移れます。「支払われなくなるかも…」という不安を軽減する、心強い備えとなるでしょう。

二つ目は、後々のトラブルを防ぐ効果です。
取り決め内容を公的な文書として明確に残すことで、「言った、言わない」といった争いを避けられます。面会交流のルールなども具体的に記しておけば、認識のずれによる紛争防止につながります。

公正証書は、あなたの新しい生活の安心を守るための大切な手段なのです。

離婚後のトラブル 約70%が養育費未受給・子どもと会えない問題

離婚前後のトラブル

離婚する方の約55%が離婚条件を書面化していません。結果的に離婚後に多くのトラブルをかかえています。
養育費は、子どもの成長にとって重要な資金ですが、現実には約70%のひとり親世帯が養育費を受け取れていません。
また、離婚後に親が子どもと会えなくなるケースも多く、約70%の別居親が子どもと会えていません。面会交流の取り決めが曖昧だとトラブルの原因になります。
これらを防ぐためには、公正証書や裁判所の調停で支払い義務を明文化し、強制執行が可能な形にしておくことが有効です。

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離婚後の公正証書の作り方

離婚後に公正証書を作る場合、「手続きは?」「費用は?」と疑問に思う方もいるでしょう。
手続きの流れは離婚前と大きく変わりませんが、最も大切なのは元配偶者の協力です。
この点がクリアできれば、あとは手順通り進めることになります。

「手続きが複雑そう…」と感じるかもしれませんが、基本的な流れを知っておけば安心です。

以下で、離婚後に公正証書を作る具体的な流れと費用について解説します。

公正証書を作る流れ

離婚後の公正証書作成は、主に以下のステップで進みます。

  1. 元夫婦間での合意
    公正証書作成と記載内容について、双方が合意することが大前提です。具体的な条件をしっかり話し合いましょう。
  2. 記載内容の決定
    合意内容を具体的にまとめます。専門家に相談することをおすすめします。
  3. 必要書類の準備
    一般的に以下の書類が必要です。
    • 本人確認書類(運転免許証など)
    • 実印と印鑑登録証明書
    • 戸籍謄本(離婚や親子関係の証明)
    • 合意内容に関する資料(不動産登記簿謄本など)
    • (代理人に依頼する場合)委任状
  4. 公証役場の選定・予約
    都合の良い公証役場を選び、事前に予約します。
  5. 公証人との打ち合わせ
    公証人に合意内容を伝え、案文を作成してもらいます。
  6. 公証役場への出頭・署名捺印
    完成した案文を確認後、原則として双方が公証役場に出頭し(代理人も可)、署名・捺印します。
  7. 完成・正本/謄本の受け取り
    原本は役場に保管され、当事者には写し(正本・謄本)が交付されます。
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公正証書作成の費用

公正証書の作成には、公証人手数料がかかります。
手数料は、主に公正証書で定める「目的価額」(養育費総額や財産分与額など)に応じて決まります。

主な内訳は以下の通りです。

  • 目的価額に応じた手数料: 法律で定められた基準に基づき計算されます。
  • 証書枚数による手数料: 通常4枚を超えると加算されます。
  • 正本・謄本の交付手数料: 写しの枚数に応じた費用です。

総額は内容によりますが、数万円程度が目安となることが多いでしょう。
複雑な内容や高額な財産が関わる場合は、これより高くなることもあります。
正確な費用は、依頼する公証役場へ事前に問い合わせて確認するのが最も確実です。
日本公証人連合会のウェブサイトでも手数料の基準を確認できます。

離婚後に公正証書を作成する場合の注意点4つ

離婚後でも公正証書は作成できますが、いくつか注意すべき点があります。
「スムーズに進めたい」「後で困らないようにしたい」と思うなら、これからお伝えする4つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
これらを知っておくことが、将来の安心につながります。

離婚後の手続きを円滑に進めるために、ぜひご確認ください。

以下で、離婚後に公正証書を作成する際の重要な注意点を解説します。

1.公正証書の作成を離婚前に合意する

理想を言えば、離婚前に公正証書を作成すること、そしてその内容について合意しておくのがベストです。なぜなら、離婚後は相手が協力してくれにくくなる可能性があるからです。

もし離婚前に合意できなかった場合は、離婚後に改めて相手に作成の必要性を伝え、粘り強く交渉する必要があります。簡単ではないかもしれませんが、将来のトラブルを防ぐために大切なステップです。

2.離婚の専門家に相談する

離婚後の手続き、特に相手との交渉が難しい場合や、法的な内容に不安がある場合は、行政書士弁護士などの専門家への相談が有効です。専門家は、状況に応じた適切なアドバイスや、書類作成、交渉代行などのサポートを提供してくれます。

3.財産分与、慰謝料、養育費の請求には時効がある

離婚に関する金銭請求権には「時効」があり、請求できる期間に限りがあります。
この点を知らずにいると、いざ請求しようとした時には手遅れ、という事態になりかねません。

主な時効期間の目安は、財産分与が離婚後2年、慰謝料が損害等を知ってから3年、養育費が各支払期日から原則5年です。
離婚後時間が経っている場合は、ご自身のケースで時効が迫っていないか確認し、早めに行動することが極めて重要になります。

4.強制執行認諾文言をいれる

養育費慰謝料財産分与の分割払いなど、金銭の支払いに関する約束を公正証書にする場合、「強制執行認諾文言」を必ず入れるようにしてください。
これは「もし支払いを怠ったら、裁判所の判決などがなくても直ちに強制執行(差し押さえ)を受けます」と約束する文言です。

この文言がないと、せっかく公正証書を作成しても、いざ不払いがあった時に、すぐに強制執行の手続きに進めません。公正証書を作成する際には、この文言が入っているか、必ず公証人に確認し、入れてもらうようにしましょう。

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離婚後のよくあるトラブル6つ

「公正証書があれば万全!」と思いたいところですが、残念ながら離婚後にトラブルが起こる可能性はゼロではありません。
公正証書は強力な武器ですが、限界もあります。

どのような問題が起こりうるのか、その時、公正証書はどう役立つのか(または役に立たないのか)を知っておくことが大切です。

以下で、離婚後によくあるトラブルと公正証書の関連について、ポイントを絞って解説します。

1.内容変更したい場合、再度公正証書を作成する必要はある?

変更内容についても法的な効力を持たせるためには、変更合意書を作成し、それを再度公正証書にするのが最も確実です。

ただし、家庭裁判所の調停や審判で内容変更が決まった場合は、その調停調書や審判書自体が効力を持つため、必ずしも公正証書の再作成は必要ありません。

2.公正証書を紛失した場合の再発行方法

公正証書の正本や謄本をなくしてしまっても、心配はいりません。
原本は作成した公証役場に原則20年間保管されているため、再発行が可能です。

作成した公証役場に、本人確認書類や印鑑などを持参して申請しましょう。
手数料がかかるため、事前に必要なものを確認しておくとスムーズです。

3.面会交流の取り決めが守られない場合

公正証書で面会交流を定めても、相手が約束を守らないことがあります。
残念ながら、養育費のように強制的に面会交流を実現させること(直接強制)はできません。

しかし、家庭裁判所に「履行勧告」を申し立てたり、守らない場合に金銭支払いを命じる「間接強制」を申し立てたりする方法があります。
まずは話し合い、解決しない場合は法的手段を検討しましょう。

4.慰謝料・財産分与(分割払い)の不払いの場合

慰謝料財産分与の分割払いが途中で止まってしまった場合も、養育費と同様です。
強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、相手の財産に対して強制執行(差し押さえ)の手続きをとることが可能です。

5.相手が自己破産したら養育費はどうなる?

相手が自己破産しても、養育費の支払い義務は原則として免除されず、支払い義務は残ります。

ただし、現実的に相手に支払い能力がなければ、回収は困難になる可能性があります。
支払い義務自体はなくならない、という点を覚えておきましょう。

6.公正証書作成後、内容変更をしたい場合

公正証書の内容は、原則として一方的には変更できません。
しかし、作成時には予測できなかった大きな「事情変更」(収入の著しい増減など)があった場合は、変更が認められる可能性があります。

まずは当事者間で話し合い、合意を目指します。
合意できない場合は、家庭裁判所の調停や審判で変更を求めることになります。

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離婚後の公正証書に関するよくある質問

ここでは、離婚後の公正証書に関して、多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
「これってどうなの?」という疑問を解消していきましょう。

Q. 公正証書があれば100%支払いを受けられますか?

いいえ、残念ながら100%の保証はありません。
強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、不払い時に強制執行(差し押さえ)の手続きは可能です。
しかし、相手に差し押さえるべき財産や収入がなければ、現実的に回収できないこともあります。
それでも、口約束などに比べれば、回収できる可能性は格段に高まります。

Q. 相手の同意なしに内容を変更できますか?

原則として、相手の同意なしに一方的に内容を変更することはできません。
公正証書は双方の合意に基づいて作成されるものです。
内容を変更したい場合は、まず相手と話し合い、合意を得る必要があります。
もし合意できない場合は、家庭裁判所の調停や審判といった法的な手続きで変更を求めることになります。

Q. 強制執行すると相手に通知されますか?

はい、通知されます。
強制執行(債権差押えなど)を申し立てると、裁判所から相手(債務者)に対して「債権差押命令」などの書類が送付されます。
そのため、相手は強制執行の手続きが開始されたことを知ることになります。

Q. 慰謝料や財産分与(分割払い)も強制執行できますか?

はい、可能です。
養育費と同様に、慰謝料や財産分与の分割払いについて、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成していれば、支払いが滞った場合に強制執行(差し押さえ)の手続きをとることができます。

Q. 自分で強制執行の手続きはできますか?

はい、ご自身で手続きを行うことも可能です。
申立てに必要な書類を集め、裁判所に提出することで手続きを進められます。
ただし、書類の作成や手続きの流れがやや複雑で、手間や時間がかかることも事実です。
もし手続きに不安がある場合や、時間的な余裕がない場合は、弁護士などの専門家に依頼することも有効な選択肢となります。

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まとめ:離婚後も公正証書で安心を守るために

この記事で、「離婚後に公正証書を作成する方法」「養育費不払いなどへの対処法」について説明してきました。

離婚後でも公正証書を作成することは可能ですし、すでに作成済みであっても、状況の変化に応じて内容を見直したり、強制執行の手続きを行ったりすることができます。
支払いが滞ったときの対応や、面会交流が守られないときの行動、自己破産と養育費の関係など、知っておくべきことはたくさんあります。

法的な手続きや制度は複雑に感じるかもしれませんが、落ち着いて情報を整理すれば、ひとつずつ対応できることばかりです。
「どうしたらいいのかわからない」という不安も、「こうすれば大丈夫」と思える知識があれば少しずつ薄れていきます。

養育費の支払いが止まってしまっても、泣き寝入りする必要はありません。
公正証書の強制執行力を活かせば、子どもとの生活を守るための有効な手段になります。
また、生活状況の変化があれば、事情変更をもとに内容の見直しも検討できます。

もし、「強制執行の方法がわからない」「弁護士に相談するか迷っている」といった悩みがあれば、一度専門家に相談することをおすすめします。
養育費の不払いへの対応や、公正証書の再作成などについては、法テラスのような無料相談も利用できます。
少しの行動が、大きな安心につながります。

公正証書は、あなたの大切な権利を守るための強力な味方です。
今は不安や迷いがあっても、必要な知識を持つことで、未来に向かって前向きな一歩を踏み出せるはずです。

まずはひとつ、気になるところから動いてみましょう。
小さな行動が、あなたとお子さんの安心した日々へとつながっていきます。

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公正証書にすることで、慰謝料や財産分与、養育費などが守られない場合、強制執行(給与、預貯金などの財産を差し押さえ)がカンタンになります。

養育費の公正証書作成で数万円補助の可能性

養育費補助支援

養育費を取り決め、実際に受け取っているひとり親は、全体のわずか24.3%にとどまります。
この養育費未払い問題に、各自治体ではさまざまな支援制度が用意されています。
養育費に関する公正証書作成補助として、神奈川県は上限4万円、横浜市は上限3万円、川崎市は上限5万円などです(2025年4月時点)
参考:全国自治体の養育費支援神奈川県の養育費支援

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