「慰謝料の約束を公正証書にしたいけど、手続きや費用が心配…」
「口約束だけでは、本当に支払ってもらえるのか不安で…」
そんなお悩みを抱える方は少なくないはずです。
慰謝料の取り決めを公正証書にすれば、その法的効力によって支払いの確実性が高まり、将来の無用なトラブルを防ぐことができます。
この記事を読めば、公正証書で慰謝料を定めるメリットや作成時の重要項目、費用、そして専門家への相談ポイントまで具体的に理解できるでしょう。
この記事では、[離婚や不貞行為などで発生した慰謝料の支払いを、法的に確実な公正証書として残したいと考えている方]に向けて、主に以下を専門家の視点でご説明します。
- 慰謝料を公正証書にする必要性と具体的なメリット
- 公正証書に記載すべき慰謝料の重要項目5選と作成の流れ
- 公正証書作成にかかる費用や注意点、よくある疑問への回答
大切な約束だからこそ、確実な形に残し、安心して新しい一歩を踏み出したいものですね。
この記事が、あなたの公正証書作成をスムーズに進めるための一助となることを願っています。
ぜひ最後までお読みいただき、お役立てください。


なぜ必要?慰謝料を公正証書にするメリット
慰謝料の取り決めは口約束やメモだけでは、後に「聞いていない」「そんな約束していない」と言われるリスクがあります。
こうしたトラブルを避け、支払いを確実に実現するために、公正証書を活用することが重要です。
「約束しても本当に支払ってくれるのか不安…」と感じるなら、法的に効力のある文書にしておくことで、後悔しない選択につながります。
ここでは、慰謝料に関する公正証書のメリットについて詳しく解説していきます。
公正証書とは?慰謝料合意の法的効力を解説
公正証書とは、公証人が法律に基づいて作成する文書で、私的な合意に法的な裏付けを与えるものです。
特に慰謝料のような金銭の支払いを約束する場合、公正証書に「強制執行認諾文言」を記載することで、支払いが滞った際に裁判を経ずに差押えができます。
合意が文書として残るだけでなく、法的な拘束力も備えるのが大きな特徴です。
メリット①:慰謝料支払いの確実性が高まる理由
口約束では支払いが履行されないケースもありますが、公正証書があれば支払う側も「守らなければ」という心理的圧力を感じます。
また、文書に残すことで第三者(裁判所や弁護士)も判断しやすく、支払いが滞ったときの対応がスムーズです。
支払いの実効性を高めるには、公正証書が最も現実的な方法といえるでしょう。
メリット②:「強制執行認諾文言」の強力な効果とは
この強制執行認諾文言があることで、慰謝料が支払われない場合、債権者(受け取る側)は裁判なしで財産の差押えを行うことができます。
これにより「万が一払われなかったら…」という不安を大きく減らせます。
一方、支払う側にとっても、明文化されていることは「きちんと履行すれば問題が起こらない」という安心材料にもなります。


メリット③:将来の紛争予防と精神的安心感を得る
公正証書にしておくことで、将来のトラブルを予防できるだけでなく、「もう揉めたくない…」という気持ちに区切りをつける助けになります。
離婚や不倫の慰謝料問題では、「言った・言わない」「約束が違う」といった紛争に発展しやすいものです。
精神的にも「これで一歩前に進める」という安心感を得られることは、多くの相談者が口にするメリットです。
離婚・不倫など様々な慰謝料ケースで活用可能
公正証書は、離婚慰謝料だけでなく、婚約破棄や不倫の慰謝料、交通事故、名誉毀損など幅広い事案に使えます。
慰謝料の金額や支払い条件を明確に残すことが目的なので、「争いになりたくない」「確実に支払いを受けたい」といった場面であれば、公正証書は非常に有効です。






慰謝料の公正証書:作成方法と手続きの全流れ
「公正証書って、どうやって作ればいいの?」と感じている方も多いでしょう。
実は、ステップごとに手順が決まっていて、一度流れを理解すればそれほど難しくはありません。
「難しそうだから」と避けるのではなく、確実な支払いを得るための前向きな準備ととらえることが大切です。
ここでは、公正証書作成までの流れを3つのステップで解説します。
事前準備:当事者間の合意と必要な書類集め
まず大前提として、当事者同士の合意が必要です。
どちらか一方が拒否している場合、公正証書は作成できません。
準備すべき書類には、以下のようなものがあります。
これらを揃えたうえで、公証役場に申し込みを行います。







ステップ1:公証役場への申込みと初回相談
準備が整ったら、公証役場に電話やメールで予約を取ります。
その際、慰謝料の合意内容や希望する文言(強制執行認諾など)を伝え、日程調整を行います。
初回相談では、公証人が合意内容を確認し、法的に不備のない文書にできるようアドバイスをくれます。
相談時に内容が整理されていないとスムーズに進まないため、事前にポイントをまとめておくのがおすすめです。
ステップ2:公正証書原案の作成と内容確認
公証人が内容をもとに「原案」を作成します。
依頼者側は、この原案を確認し、不備や希望通りの内容になっているかをチェックします。
- 金額の誤り
- 支払回数や期日の記載漏れ
- 清算条項や遅延損害金の文言の有無
一言一句が将来のトラブルに関わるため、細部まで確認を行いましょう。
必要があれば、公証人と再調整して修正してもらいます。
ステップ3:公証役場での署名・押印と完成まで
内容に問題がなければ、指定された日時に公証役場で署名と押印を行い、正式な公正証書として完成します。
このとき、当事者全員が公証役場に出向く必要があります(例外あり)。
証書は正本・謄本・正副本などに分かれて交付され、原本は公証役場に保管されます。
完成後は、その公正証書をもとに将来的な強制執行や証拠としての利用が可能になります。



公正証書に記載すべき慰謝料の重要項目5選
慰謝料の支払いに関する合意を公正証書にする際は、「何をどう書くか」が極めて重要です。
たとえ合意していても、内容が曖昧だと後々のトラブルを招きかねません。
「これってちゃんと書いておかないといけないのかな…」という不安を抱えている方も多いでしょう。
そこで今回は、公正証書に必ず記載すべき重要な5つの項目を解説します。
① 慰謝料の支払金額と支払義務者の明確化
まず最も大切なのは、いくら支払うのか、誰が支払うのかを明記することです。
これが曖昧だと、公正証書の効力が損なわれる恐れがあります。




② 支払方法(一括か分割か)と各支払期日
次に、支払方法を明確に定めることが重要です。
- 一括払いの場合:支払期日を明記(例:2025年12月31日までに)
- 分割払いの場合:分割回数、各回の支払期日と金額を記載
また、分割の合計額が最初の合意金額と一致しているかをよく確認しましょう。
期日を具体的に書くことで、支払い遅延が発生したときの判断がしやすくなります。
③ 遅延した場合の損害金に関する取り決め
支払が遅れた場合の「遅延損害金」についても、必ず盛り込みましょう。
一般的には年利6%〜14.6%程度で設定されることが多く、記載しておけば滞納された際に損害金を請求する根拠になります。
遅延損害金の記載があるだけで、相手に対して一定のプレッシャーとなり、履行率の向上にもつながります。
④「強制執行認諾文言」の記載は絶対に必要
この文言があることで、支払いが滞ったときに裁判をせずに財産の差押えが可能になります。
文言の例としては、「債務者は本公正証書に記載された金員の支払義務について、直ちに強制執行に服することを認諾する」などが挙げられます。
この一文が入っていないと、公正証書であっても強制執行はできないため、絶対に忘れてはなりません。
⑤ 清算条項で今後の追加請求を防ぐことも
最後に、慰謝料を支払ったことで「これですべてが終わった」と明確にするために、清算条項を入れることが有効です。
このように書くことで、将来的に「やっぱりもっと請求したい」といったトラブルを未然に防げます。



公正証書作成の費用と知っておくべき注意点
公正証書は、確かに法的に強力な手段です。
ですが「お金がかかるのでは…」「あとから修正できないって本当?」と、心配な声があるのも事実です。
費用面と注意点をきちんと理解しておくことで、後悔のない判断ができるはずです。
ここでは、公正証書の費用の仕組みと、知っておきたい重要な注意点を解説します。
公証役場の手数料:慰謝料の金額に応じた費用
公証役場の手数料は「目的の金額」に応じて変動します。
公正証書の正本や謄本の交付には別途手数料(1通数百円〜)もかかります。
公証人に事前に見積もりを依頼しておくと安心です。
専門家(弁護士等)への依頼費用とその相場
弁護士や行政書士に依頼する場合、以下のような費用が発生します。
交渉を伴うような複雑な案件や、争いの火種がある場合は弁護士の関与が安心です。
一方、合意内容がまとまっているなら行政書士でも十分対応可能です。
注意点①:一度作成すると内容変更は原則困難
公正証書は、当事者の合意に基づき作成されますが、作成後の内容変更は原則としてできません。
どうしても変更が必要な場合は、再度合意したうえで新たに作り直す必要があります。
そのため、「今後の変化も見越した内容にできているか」を事前に十分に検討しておくことが重要です。
注意点②:相手の支払能力も考慮した合意を
いくら公正証書にしても、相手に支払能力がなければ実際の回収は困難です。
特に分割払いの場合、現実的に支払える金額・期間で合意しておくことが大切です。
過剰な請求や無理な支払条件では、結局履行されないリスクが高まります。
「確実に受け取る」ことを優先し、現実的な条件設定を意識しましょう。





専門家相談:弁護士・行政書士の役割と選び方
慰謝料に関する公正証書を作成する際、「専門家に相談すべきか迷っている…」という方も多いでしょう。弁護士と行政書士ではサポートできる範囲が異なるため、自分の状況に合った選択が大切です。
特に、不貞行為など感情や金銭が複雑に絡む慰謝料問題では、専門家の助言があなたの安心につながります。
ここでは、弁護士・行政書士の具体的な役割と選び方のポイントをわかりやすく解説します。
慰謝料問題で弁護士に依頼するメリットとケース
弁護士は、法的トラブル全般に対応できる唯一の国家資格者です。
慰謝料請求で相手と争いになりそうなときや、すでに支払いが滞っている場合には、弁護士への依頼が最も安心です。
- 交渉力の高さ:
弁護士が代理人となることで、相手が真剣に応じるケースが多くなります。 - 強制力のある対応:
支払い拒否や回避に対して、内容証明や訴訟などの対応も可能です。 - 複雑な案件への対応力:
不倫・DV・婚約破棄など、多面的な要素を含む慰謝料問題も処理可能です。
争いや高額な慰謝料を巡るケースでは、初期段階から弁護士を頼るのが賢明でしょう。
行政書士に依頼できる公正証書作成の業務範囲
行政書士は、書類作成の専門家として、公正証書の原案作成や公証役場との調整などをサポートできます。
ただし、弁護士と異なり、交渉の代理や訴訟対応はできません。
- 公正証書の原案作成:
専門的な文言を適切に整え、必要な情報を盛り込みます。 - 公証役場との連携:
書類のチェックや日程調整を代行してもらえます。 - 法的アドバイスは不可:
慰謝料の相場やトラブル対処など、法的判断は行えません。
争いがなく合意済みの慰謝料を、確実な文書にしたい場合に適した選択肢です。


信頼できる専門家の見つけ方と費用比較のコツ
専門家を選ぶ際は、費用と信頼性のバランスが重要です。
なお、弁護士は10〜20万円以上、行政書士は5〜8万円程度が目安です。内容の複雑さや地域によって異なるため、比較検討が欠かせません。



「公正証書 慰謝料」に関するよくある質問
「自分のケースでも公正証書が必要?」「こんな場合はどうなるの?」といった不安は尽きないものです。
ここでは、公正証書と慰謝料に関するよくある質問をまとめて、実際の判断に役立つポイントを解説します。
Q. 示談書と公正証書、慰謝料の効力に違いは?
はい、大きな違いがあります。示談書には法的な強制力はなく、約束を守られなかった場合、別途裁判が必要です。
一方、公正証書に「強制執行認諾文言」がある場合、未払い時にすぐ差押えが可能です。支払い確保の手段として、公正証書の方が断然有利です。


Q. 公正証書の慰謝料が支払われない場合の対処法は?
強制執行認諾文言が記載されていれば、家庭裁判所を経ることなく、財産差押えができます。
ただし、相手に差し押さえる財産(給与・預貯金など)がなければ、実質的に回収できない場合もあります。
Q. 養育費や財産分与も一緒に公正証書にできますか?
はい、可能です。公正証書には慰謝料のほか、養育費・財産分与・面会交流などもまとめて記載できます。
1つの書面で全ての金銭的取り決めを記録できるため、後のトラブル防止に役立ちます。


Q. 公正証書の作成に相手の同意は必ず必要ですか?
はい、相手の同意がないと作成できません。
公正証書は「当事者間の合意に基づく契約文書」であるため、一方だけの意思では成立しません。
合意がない場合は、示談書や調停・訴訟など他の手段を検討しましょう。
Q. 不倫相手との慰謝料合意も公正証書にすべき?
はい、できれば公正証書にすべきです。
不倫相手からの慰謝料についても、公正証書にすれば強制執行の対象とできます。
ただし、不倫相手が作成に協力しない可能性もあるため、内容証明郵便などの別手段と併用することも検討しましょう。



まとめ:公正証書で慰謝料を確実に
この記事では、「慰謝料を公正証書にするメリット」「作成方法と流れ」「記載すべき重要項目」、そして「費用と注意点」などについて説明しました。
慰謝料の約束は、公正証書にすることで法的効力が高まり、支払いの確実性が増します。
将来の無用なトラブルを防ぐためにも、これは非常に重要な手続きとなるでしょう。
「本当に支払ってもらえるのだろうか…」そうしたご不安は当然です。
この記事で、公正証書の作成ポイントをご理解いただけたはずです。
まずは、ご自身の状況と照らし合わせ、専門家への相談も視野に入れてみましょう。
離婚や不貞行為など、慰謝料に関する複雑なお悩みは、専門家へ相談することで、より確実かつ円滑な解決が期待できます。
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公正証書は、あなたの権利を守り、新しい生活への安心感をもたらすでしょう。
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この記事が、あなたの疑問解消と次の一歩を力強く後押しできれば幸いです。
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参考:全国自治体の養育費支援、神奈川県の養育費支援


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