「長年連れ添ったのに、なぜ今になって…」
「これからの人生、このままで本当にいいのだろうか…」
熟年離婚という言葉を前に、多くの方が、戸惑いや不安、そして長年の思いが入り混じった複雑な感情を抱えていることでしょう。
その決断は、決して突発的なものではありません。
子育て中は見過ごせていた価値観のズレや、コミュニケーション不足が、夫の定年といったライフステージの変化を機に、見過ごせない問題として表面化した結果なのです。
まずはその根本原因を正しく理解することが、後悔のない未来を選択するための第一歩となります。
すぐに答えを出す必要はありません。
まずは、ご自身の、あるいはご両親の状況を客観的に見つめ直すことから始めてみましょう。
この記事では、熟年離婚について深く悩んでいる方に向けて、主に以下を専門家の視点でご説明します。
- 熟年離婚の主な原因と、その背景にある心理
- 後悔しないための準備(お金の問題)と手続き
- 離婚を回避するための具体的な対処法
どの選択が正しいという答えはありません。
しかし、この記事が、ご自身の気持ちを整理し、納得のいく未来へと歩み出すための羅針盤となれば幸いです。
ぜひ、参考にしてください。


熟年離婚の原因ランキングTOP5【令和5年 司法統計より解説】
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長年連れ添った夫婦が、なぜ人生の後半で別れを選ぶのか。
その原因は、決して一つではありません。
多くの場合、子育てや仕事に追われる中で見過ごされてきた、小さなすれ違いや不満が、長い年月をかけて積み重なった結果なのです。
「私たちの夫婦関係は、他の家と比べてどうなんだろう…」
「長年連れ添ったのに、今さらなぜ…」
そうした疑問や戸惑いを抱えている方もいるでしょう。
客観的なデータを知ることは、ご自身の状況を冷静に見つめ直し、今後の人生を考える上での重要なヒントになります。
ここでは、司法統計のデータを基に、女性の離婚の主な原因について、ランキング形式で解説していきます。
1位:性格が合わない(価値観の相違)
裁判所の司法統計において、離婚理由の第1位は男女ともに「性格が合わない」です。
若い頃は気にならなかった、あるいは「お互い様」と流せていた些細な性格の違い。
それが熟年期になると、人生の目標や日々の暮らし方といった、根本的な「価値観のズレ」として表面化します。
例えば、「定年後は夫婦でゆっくり過ごしたい」と考える夫と、「これからは自分の趣味や友人と、自由に時間を使いたい」と願う妻。
子育てという共通の目標を終え、人生100年時代と言われる長い老後を前にしたとき、この価値観のズレは、共に歩むことを困難にさせる最も大きな原因となり得るのです。



2位:生活費を渡さない(経済的DV)
夫が妻に十分な生活費を渡さなかったり、家計を過度に管理したりする「経済的DV」も、熟年離婚の大きな原因となります。
これは単にお金の問題だけでなく、経済的な力を背景にした、精神的な支配の一形態です。
現役時代は、夫の収入に頼らざるを得ず、声を上げられなかった妻も少なくありません。
しかし、夫の退職金や、離婚時に受け取れる年金分割といった制度の知識を得ることで、「これなら一人でも生きていけるかもしれない」と、経済的な自立への見通しが立ち、離婚へ踏み出す勇気に繋がることがあります。


3位:精神的に虐待する(モラハラ)
長年にわたる、言葉や態度による精神的な暴力、いわゆる「モラルハラスメント」も、深刻な離婚原因です。
特に妻側からの離婚申し立て理由として、上位に挙げられています。
「誰のおかげで生活できているんだ」といった見下した発言や、妻の意見を無視したり、人前で恥をかかせたりする行為。
子育て中は「子どものために」と我慢を重ねてきた妻も、子どもが独立したことを機に、「これからの人生まで、自分を犠牲にする必要はない」と、夫の支配から抜け出す決意を固めるケースは少なくありません。





とは?3つの原因と対処法を専門家が解説【完全版】-160x90.png)
4位:暴力をふるう
身体的な暴力、いわゆる「DV(ドメスティック・バイオレンス)」も、年代を問わず重大な離婚原因です。
長年の暴力に耐えかねて、あるいは、定年後のストレスなどから始まった暴力がきっかけで、離婚を決意するケースがあります。
たとえ一回でも、暴力は決して許される行為ではありません。
ご自身の身の安全を確保することを最優先に考え、すぐにでも専門機関に相談すべき深刻な問題です。




5位:異性関係(浮気・不倫)
異性関係、つまりパートナーの浮気や不倫も、年代を問わず常に上位に来る離婚原因です。
熟年離婚の場合、最近始まった関係だけでなく、何年も前にあった過去の浮気が許せないまま、心のしこりとして残り続けていた、というケースも多く見られます。
長年の結婚生活で冷え切った夫婦関係の中で、パートナーの裏切りが最後の引き金となるのです。
「もうこの人を信頼できない」という思いが、離婚という決断を後押しします。










なぜ今?熟年離婚のきっかけとなる夫婦の特徴
熟年離婚は、ある日突然降って湧いたように起こるものではありません。
その多くは、子育てや仕事といった役割に追われる中で見過ごされてきた、夫婦間の小さなズレや不満が、何十年という時間をかけて積み重なった結果なのです。
そして、その積み重ねが、ある「きっかけ」によって表面化します。
「今まで、特に大きな問題もなかったはずなのに…」
パートナーから突然離婚を切り出され、そう戸惑っている方もいるかもしれません。
しかし、これまで「家族」というチームを維持するための共通の目標(子育てや仕事)があったために、表面化しなかっただけというケースは非常に多いのです。
ここでは、熟年離婚の引き金となりやすい、夫婦の3つの特徴について解説します。
①夫の定年退職による生活の変化
夫の定年退職は、夫婦の生活リズムを劇的に変化させ、熟年離婚の最も大きなきっかけとなり得ます。
これまで日中は別々の時間を過ごしていた夫婦が、一日中顔を合わせることになる。
それは、妻にとっては自分のペースや聖域を乱される大きなストレスとなり、いわゆる「夫源病」を引き起こすこともあります。
一方で、夫は長年の会社勤めから解放され、家庭で自分の居場所を見つけようとしますが、良かれと思って口出しした家事のやり方などが、妻の反感を買ってしまうことも少なくありません。
安らぎの場であったはずの家庭が、お互いにとって息苦しい場所へと変わってしまうのです。


②子どもの自立による「夫婦二人」の時間
子どもの存在は、夫婦にとって最も強力な「かすがい」です。
その子どもたちが独立し、夫婦二人の生活が始まったとき、多くの夫婦は初めて「他人同士」として向き合うことになります。
子育てという共通の目標を失い、いざ二人きりになってみると、会話が続かない、一緒に楽しめる趣味もない、という現実に直面するのです。
特に、これまで「母親」としての役割に人生を捧げてきた妻は、「これからの人生、私は誰のために生きるのだろう」と自問し、夫の「妻」という役割からも卒業して、自分自身の人生を取り戻したいと願うようになります。
③長年のコミュニケーション不足と無関心
夫の定年や子どもの自立は、あくまで「きっかけ」に過ぎません。
その根底には、ほぼ例外なく、長年のコミュニケーション不足と、お互いへの無関心が横たわっています。
「ありがとう」という感謝の言葉がない。
相手の話に真剣に耳を傾けない。
相手が何に悩み、何に喜んでいるのか、関心がない。
そうした日々の小さなすれ違いの積み重ねが、気づかぬうちに夫婦の心の間に、修復不可能なほど大きな溝を作ってしまいます。
「この人と、この先の長い人生を一緒に過ごすことはできない」という諦めが、離婚という決断に繋がるのです。







熟年離婚のメリット・デメリットを比較
熟年離婚という大きな決断を下す前には、感情的に判断するのではなく、離婚後の生活にどのような変化が訪れるのか、その光と影を冷静に比較検討することが不可欠です。
手に入る自由と、失うものの大きさを、天秤にかける必要があります。
「離婚すれば、今のストレスからは解放される。でも、その後の生活は本当に大丈夫だろうか…」
多くの方が、この期待と不安の間で揺れ動いています。
後悔しない選択をするために、まずは離婚のメリットとデメリットの両方を正しく理解しましょう。
ここでは、熟年離婚における代表的なメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
【メリット】ストレスからの解放と自由な時間
熟年離婚における最大のメリットは、長年抱え続けてきたパートナーへのストレスから完全に解放されることでしょう。
相手の顔色をうかがう必要も、心ない言葉に傷つく必要もありません。
これからは、全ての時間を自分のためだけに使うことができます。
これまで我慢してきた趣味に没頭したり、気兼ねなく友人と旅行に出かけたりと、誰にも干渉されない自由な日々を手に入れることができる。
それは、自分らしい第二の人生をスタートさせる上で、何物にも代えがたい魅力です。
【メリット】相手やその親族の介護義務がなくなる
見過ごされがちですが、離婚によって、相手やその親族に対する法的な介護の義務がなくなることも、大きなメリットの一つです。
日本の法律では、配偶者やその親(義父母)も扶養義務の対象となる可能性があります。
「この先、夫だけでなく、義理の両親の介護まで自分が背負うことになるのだろうか…」
そんな将来への不安を抱えている方にとって、離婚はその重責から法的に解放されることを意味します。
ご自身の老後を考える上で、これは非常に重要なポイントと言えるでしょう。


【デメリット】経済的な不安と生活レベルの低下
一方で、熟年離婚における最大のデメリットは、経済的な問題です。
多くの場合、離婚によって生活レベルが低下することは避けられません。
これまで夫婦二人で一つの家計を支えていたものが、離婚によって完全に二つに分かれます。
たとえ財産分与や年金分割を受けたとしても、現役時代と同じような生活水準を維持するのは難しいのが現実です。
特に、長年専業主婦だった方にとっては、住まいの確保や、新たな収入源を見つけることが、大きな課題としてのしかかります。




【デメリット】孤独感や健康への不安
長年連れ添ったパートナーと別れ、一人で老後を迎えることへの「孤独感」も、深刻なデメリットです。
離婚による解放感を味わう一方で、ふとした瞬間に寂しさを感じたり、体調を崩した時に頼れる人がいないという現実に直面したりすることがあります。
特に、家事や身の回りのことを妻に任せきりだった男性は、生活能力の面だけでなく、地域社会との繋がりが希薄で、孤立しやすい傾向があります。
自由と引き換えに、新たな不安を抱える可能性も考慮しておく必要があるでしょう。







後悔しないための準備|お金の問題を解決する方法
熟年離婚を考える上で、最も大きな不安は「お金の問題」ではないでしょうか。
長年連れ添った夫婦だからこそ、財産も複雑に絡み合っています。
しかし、法律で定められた制度を正しく理解し、計画的に準備を進めることで、離婚後の経済的な基盤をしっかりと築くことは可能です。
「離婚したいけど、私には収入も貯金もないから無理…」
特に長年、専業主婦として家庭を支えてきた方は、そう思い込んで一歩を踏み出せないケースが少なくありません。
しかし、知識がないまま諦めてしまうのは、あまりにも早計です。
あなたのこれまでの貢献は、法的にきちんと評価される権利があります。
ここでは、後悔しないために絶対に知っておくべき、3つのお金に関する制度を解説します。
①財産分与:退職金・不動産・保険が対象
財産分与とは、結婚生活の中で夫婦が協力して築き上げた財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。
貢献度に応じて分けますが、専業主婦の長年の貢献も高く評価され、原則として2分の1の権利が認められます。
対象となるのは、預貯金や有価証券だけではありません。
- 退職金・年金:
すでに支払われた退職金はもちろん、将来支払われる予定の退職金や年金も、婚姻期間に相当する部分は財産分与の対象となります。 - 不動産:
夫婦で購入した家や土地も、もちろん対象です。 - 生命保険:
夫婦のどちらかが契約している生命保険も、解約した際に戻ってくるお金(解約返戻金)が分与の対象となります。
夫名義だからといって、諦める必要は全くありません。




②年金分割:離婚後に受け取れる年金の制度
年金分割は、財産分与とは別に、離婚後の生活を支える非常に重要な制度です。
これは、結婚していた期間中の、厚生年金(または共済年金)の保険料納付記録を、夫婦で最大2分の1ずつ分割できるというもの。
この手続きをすることで、専業主婦などで自身の厚生年金加入期間が短かったとしても、離婚後に相手の厚生年金の一部を、ご自身の年金として生涯受け取ることが可能になります。
これは、長年パートナーを支えてきたあなたの貢献が、老後の生活保障として法的に認められた権利なのです。
ただし、自動的に分割されるわけではなく、年金事務所での手続きが必要となります。


③慰謝料:モラハラや浮気で請求できる場合
慰謝料とは、相手の不法行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。
財産分与とは全く性質が異なり、離婚すれば必ずもらえる、というものではありません。
慰謝料を請求できるのは、相手に明確な「有責行為」、つまり離婚の原因を作った責任がある場合に限られます。
具体的には、長年にわたるモラハラ(精神的DV)や、浮気・不倫(不貞行為)などがこれにあたります。
単なる「性格の不一致」では、慰謝料の請求は難しいのが実情です。
また、慰謝料を請求するためには、その行為を証明するための客観的な「証拠」が何よりも重要になります。











熟年離婚を回避するための具体的な対処法
もし、あなたが離婚を望んでおらず、冷え切った夫婦関係をもう一度やり直したいと考えているのなら、まだ諦めるのは早いかもしれません。
長年積み重なったすれ違いを解消するのは簡単ではありませんが、少しだけ意識を変え、具体的な行動を起こすことで、関係が改善する可能性は残されています。
「今さら、何を話せばいいのか分からない…」
「もう手遅れかもしれない」
そう感じるお気持ちは、痛いほど分かります。
しかし、何もしなければ、二人の間の溝は深まる一方です。
定年後の新しいステージは、夫婦関係を見つめ直す最後のチャンスとも言えるでしょう。
ここでは、熟年離婚を回避するために、今日からでも始められる具体的な対処法をご紹介します。
夫婦の時間を意識的に作り、対話を増やす
まず大切なのは、意識的に夫婦二人の時間を作り、対話を増やすことです。
長年の間、「夫と妻」「父と母」という役割でしか接してこなかった関係から、一人の人間同士として向き合う時間を取り戻しましょう。
それは、改まった話し合いでなくても構いません。
例えば、朝食後のコーヒーを一緒に飲む15分、週末に二人で近所を散歩する30分。
「今日の調子はどう?」「このテレビ面白いね」といった、他愛もない会話からで十分なのです。
お互いへの関心を示すことが、関係改善の第一歩となります。




感謝の気持ちを言葉で伝える、相手を尊重する
長年の結婚生活の中では、相手の存在が「当たり前」になりがちです。
しかし、その当たり前こそが、感謝や思いやりを忘れさせ、関係を冷え込ませる原因となります。
「いつもありがとう」「お仕事お疲れ様でした」
「あなたがいてくれて助かるよ」
今さら気恥ずかしいかもしれませんが、感謝や労いの気持ちを、意識して言葉に出して伝えてみてください。
また、相手の意見や価値観を、たとえ自分と違っても、まずは「そういう考え方もあるんだね」と一度受け止め、尊重する姿勢を見せること。
その小さな変化が、相手の心を少しずつ溶かしていくはずです。
共通の趣味を見つける、新しい目標を共有する
子育てという共通の目標を終えた今、夫婦で楽しめる新しい「共通の何か」を見つけることも、非常に効果的です。
二人で同じ方向を向くことで、新たな絆が生まれます。
それは、本格的な趣味でなくても構いません。
一緒にウォーキングを始める、週末に少し遠出して美味しいものを食べに行く、好きなドラマを一緒に見て感想を言い合う、数年後の旅行の計画を立てる。
そうして、これからの人生で、ポジティブな思い出を二人で共有していくこと。
それが、「この人と、もう少し一緒にいてもいいかな」と思えるきっかけになるかもしれません。







離婚を決意したら。手続きの流れと注意点

離婚を決意したあと、感情的に相手にぶつかってしまうのは得策ではありません。
後悔しないためには、法的な手続きの流れを理解し、冷静に、かつ計画的に進めることが何よりも重要です。
「離婚したいけど、何から手をつければいいのか分からない…」
そうした不安や戸惑いは、当然のものです。
しかし、全体像をあらかじめ知っておくことで、心に余裕が生まれ、ご自身のペースで着実に準備を進めることができます。
ここでは、離婚に至る3つの法的なステップについて、その流れと注意点を解説します。
①話し合いによる「協議離婚」
協議離婚とは、夫婦間の話し合いによって離婚の合意を目指す、最も一般的な方法です。
日本の離婚の9割以上が、この協議離婚にあたります。
当事者間で、財産分与や年金分割、慰謝料などの条件を全て話し合って決めます。
ここで最も重要な注意点は、合意した内容を必ず「公正証書」という公的な文書にしておくことです。
口約束や単なる念書だけでは、将来、退職金や養育費の支払いが滞った際に、法的な強制力を持たない危険性があります。
離婚後のトラブル 約70%が養育費未受給・子どもと会えない問題

離婚する方の約55%が離婚条件を書面化していません。結果的に離婚後に多くのトラブルをかかえています。
養育費は、子どもの成長にとって重要な資金ですが、現実には約70%のひとり親世帯が養育費を受け取れていません。
また、離婚後に親が子どもと会えなくなるケースも多く、約70%の別居親が子どもと会えていません。面会交流の取り決めが曖昧だとトラブルの原因になります。
これらを防ぐためには、公正証書や裁判所の調停で支払い義務を明文化し、強制執行が可能な形にしておくことが有効です。








②家庭裁判所での「調停離婚」
夫婦間の話し合いで合意に至らない場合や、相手が話し合いにすら応じてくれない場合は、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てます。
これは、裁判のように勝ち負けを決める場ではありません。
裁判官と、民間の有識者から選ばれた調停委員が中立な立場で間に入り、夫婦それぞれの言い分を聞きながら、合意に向けた話し合いを進めてくれる手続きです。
基本的に夫婦が直接顔を合わせることはないため、感情的な対立を避けながら、冷静に話し合いを進めることができます。
ここで合意に至れば、「調停調書」が作成され、離婚が成立します。
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③最終手段としての「裁判離婚」
離婚調停でも合意できず、不成立となった場合の最終手段が「裁判離婚」です。
これは、家庭裁判所に訴訟を起こし、最終的に裁判官に離婚を認めるかどうかの判断(判決)を委ねる手続きを指します。
裁判では、法律と客観的な証拠に基づいて全てが判断されます。
時間も費用も、そして精神的な負担も大きくなるため、弁護士のサポートがほぼ不可欠となるでしょう。
また、裁判で離婚が認められるには、法律で定められた離婚原因(不貞行為や悪意の遺棄など)が必要となります。









悩みは専門家へ。弁護士に相談するメリット
熟年離婚は、長年の夫婦生活の中で築いた財産が絡み合うため、若い世代の離婚よりも複雑になりがちです。
一人で進めることも不可能ではありませんが、法律の専門家である弁護士に相談することで、得られるメリットは計り知れません。
「弁護士に頼むなんて、費用もかかりそうだし大袈裟だわ…」
そう考える方もいるでしょう。
しかし、知識がないために本来もらえるはずの財産分与や年金を諦めてしまう損失は、弁護士費用をはるかに上回る可能性があります。
専門家の力を借りることは、あなたの未来への賢明な投資なのです。
ここでは、弁護士に相談する具体的なメリットを3つご紹介します。
有利な条件で交渉を進められる
弁護士は、あなたの代理人として、法律に基づいた正当な権利を主張してくれます。
特に、退職金や不動産といった高額な財産の分与、そして複雑な年金分割の計算など、専門的な知識がなければ見過ごしてしまいがちな部分まで、あなたにとって最も有利な条件で交渉を進めてくれるでしょう。
感情に流されず、法的な根拠を持って交渉してくれる存在は、非常に心強いものです。
複雑な手続きを任せられる
離婚には、公正証書の作成や、調停・裁判の申立て、年金分割の申請など、多くの複雑な手続きが伴います。
これらの煩雑な書類作成や手続きを、全て専門家である弁護士に任せることができます。
慣れない手続きに時間と労力を奪われることなく、あなたは新しい生活の準備に集中できる。
これも大きなメリットの一つです。
精神的な負担が大きく軽減される
おそらく、これが最大のメリットかもしれません。
弁護士に依頼することで、精神的な負担が劇的に軽減されます。
長年連れ添った相手と、お金や財産のことで直接対峙するのは、想像以上に辛く、消耗するものです。
弁護士が交渉の窓口となることで、相手と直接話す必要がなくなります。
「自分の味方になってくれる専門家がいる」という安心感は、困難な時期を乗り越えるための、大きな支えとなるはずです。

熟年離婚に関するよくある質問
最後に、熟年離婚に関して多くの方が抱く、具体的な質問についてお答えします。
専業主婦でも財産分与は半分もらえますか?
はい、原則として、受け取ることができます。
日本の法律では、結婚期間中に夫婦が協力して築いた財産は、夫婦の共有財産と見なされます。
長年の家事や育児といった専業主婦の貢献は、夫が外で働いて得た収入と同等に評価されるため、財産分与の割合は原則として2分の1となります。
離婚後の生活費は月々いくら必要?
これは、お住まいの地域やライフスタイルによって大きく異なりますが、総務省の家計調査(2023年)によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は、月々平均で約14.3万円というデータがあります。
まずは、現在の家賃や食費、光熱費などを元に、ご自身のケースでどれくらいの生活費が必要になるか、リアルな予算を立ててみることが重要です。
成人した子どもに与える影響は?
お子さんが成人していても、両親の離婚は大きな精神的ショックを与える可能性があります。
自身の結婚観や家族観が揺らいだり、「自分のせいでは」と罪悪感を抱いたりすることもあります。
また、将来的には、父と母、それぞれの老後の面倒や介護について考えなければならないという、新たな負担が生じる可能性も考慮しておくべきでしょう。
相手が離婚に同意しない場合はどうすれば?
相手が話し合いに応じない、あるいは離婚に同意しない場合は、家庭裁判所に「離婚調停」を申し立てることになります。
調停は、あくまで話し合いの場であり、調停委員が間に入ることで、冷静な対話が促されます。
それでも相手が同意しない場合は、最終的に「裁判」で、法的な離婚原因があると裁判官に認めてもらう必要があります。
まとめ:これからの人生を、後悔しないために
この記事では、「熟年離婚の主な原因ランキング」や「後悔しないためのお金の準備」、「離婚を回避するための対処法」などについて解説してきました。
長年連れ添った夫婦だからこそ、その決断は非常に重く、戸惑いも大きいことでしょう。
しかし、熟年離婚は突然起こるのではなく、長年のコミュニケーション不足や価値観のズレが積み重なった結果です。
その根本的な原因を冷静に見つめ直すことが、ご自身の本当の気持ちに気づき、未来への一歩を踏み出すための鍵となります。
すぐに結論を出す必要はありません。
まずは、ご自身のこれまでの結婚生活を振り返り、これからどう生きたいのかを紙に書き出してみませんか。
その作業が、きっと心を整理する助けになります。
特に「財産分与や年金分割」といった専門的な知識が必要な問題や、「夫婦関係を修復したい」という切実な悩みについては、専門家へ相談することが最善の解決策となる場合があります。
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参考:全国自治体の養育費支援、神奈川県の養育費支援


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